「マリア様がみてる バラエティギフト」(2003)
さて、最新刊はなんと16冊目です。
今回は、雑誌「コバルト」に掲載された短編の再録なので
ほとんど読んでいるのですが、確かにタイトルどおりの
バラエティさが読みどころですね。
「降誕祭の奇蹟」は「マリア様がみてる」にしては珍しく『奇蹟』を
扱った話。個人的にあまりに都合の良い奇蹟は鼻につくだけだけど、
さすが今野緒雪氏は巧いです。
パラソルの奇蹟もそうだけど「軽い奇蹟」なのが良いですね。
「ショコラとポートレート」は珍しく山百合会メンバー
以外が中心の話で、新鮮に楽しめました。
あとがきによると、次回は学園祭ではないということなので
・・・由乃さんの妹の話は学園祭後として・・・
次回は、蔦子さんと笙子の話かもしれないですね。(楽しみ)
「羊が一匹さく越えて」もいつもと雰囲気は違うけど、実に
「マリア様がみてる」らしい話です。
祐巳と乃梨子の距離感みたいなのが巧く表現されていると思います。
軽い謎解きのような進め方もとても心地よいです。
「毒入りりんご」は鳥居江利子さまから見た由乃さんとの関係を描いた作品。
この二人は、意外といままで焦点が当たらなかったので、興味深いところです。
ただ、つなぎの「バラエティギフト」は、つなぎとしては
滑らかじゃないような気がしますね。まあ、かなりバラバラな
作品をつなげるわけだから、しょうがないところですが。
今回は、「バラエティ」だったわけだけど、何がバラエティって
キャラクター同士の関係というか、関係性というか、そういうのの
多様さですよね。丁寧に、巧みに描いていると思います。
# 今だから告白しますが、実は「マリア様がみてる」開始当初、
# 「こういう話は誰が作者でも同じ」というような、失礼な
# 考えを持っていたのですが、やはり今野緒雪氏だからこそ、ここまで
# 人気が出たのだと、はっきり思えます。
さて、アニメ版「マリア様がみてる」はこういう「関係性」を
しっかり表現できているでしょうか。
そこが一番のポイントだと思います。
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