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2004.03.25

「耽美なわしら 完全版」上

フィールドワイ版です。
角川書店ASUKAノベルズ版の感想は書いてしまっているのですが(→ここ)、
今回新装されたということで、ダブらない程度に感想を書きます。

この上巻は、角川ASUKAの2巻分のほとんどの作品を納めています。
テキストはかなりの量あるのですが、読みやすいし、なにより
笑えるのですらすら読めてしまいます。

森奈津子作品としては、「冒険はセーラー服を脱いでから」(1994)
(少年向けで「百合」を意識した作品。ログアウト冒険文庫・刊)より
読み込んでいるかもしれません。

それにしても、森氏の「百合」ものって、なんだかよそよそしく感じます。
(どうしてエロだとああいう風になるのか、かなり不思議)
まあ、編集に配慮したのか、「百合」ものを丁寧に扱おうと
したのか、単に恥ずかしいのか判断はできないのですが。

とにかく、この作品もゲイ系は思いっきり笑えるのですが
「百合」(というかレズ)になると、陰に回るのです。
これがほんとの「隠レズ」なのでしょうか。

そういう姿勢が巧い具合に作用するのが
「あぶない学園」シリーズ(1993-1995)なのですが、ここでは扱いません。

さて、上巻の後半で印象深いのは、斉藤(ハード・ゲイ)のセリフですね。
いいじゃねえか、あの世界。学園で花開く、美しい『お姉様』と
可憐な『妹』の清らかな愛だぜ

この男は、バンコクで男の子を買ったなどと吹聴するような、とんでもない
やつですが、エスものばかり書く売れない少女小説家・相原千里()の
才能を見いだし、実は性転換願望だったりするのです。
なんだか、フクザツな心境になります。
セクシャルマイノリティは実に奥が深い・・・と思わせてくれます。

もちろんこれは虚構で、実際にそういう人がいるかどうかは微妙ですが、
「マリア様がみてる」を読んで、全く同じ感想を持つ、自称硬派な男がいても
不思議じゃないですよね。

まあ、「百合」ばかり追いかけるのも悪くないですが、こういう
セクシャルマイノリティ全体の思想なり文化を、ちょっとは知っておいた
方が良いと、個人的には思います。
(この主張は前の感想とダブってるか・・・)

この作品は、そういう意味で、楽しい参考書にはなると思います。

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