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2004.12.27

「刹那~そのとき彼女が願ったこと~」

山下卓・作、ファミ通文庫・刊

作者が、意識していたかどうかは定かではありませんが(恐らく
意識していなかったと思いますが)今年最大の「問題作」である
のは確かですね。

この作品、評価が非常に難しいです。

「百合」かどうか、というより、こういう作品を許容できるかどうかの
個人的な資質に関わってくるところが大きいと思います。
(心が広いとか狭いとかの単純なものさしで計れるものではないですが)

作品の内容は、同性のクラスメイト・雪乃に想いを寄せる由香里が
主人公です。作品全体の80%程度は、由香里の心理描写に費やされます。
甘い雰囲気が漂う中、なんとなく不安も感じるような仕掛けも施されて
います。そして、後半、その不安感が的中するのです。最悪の形で。

なんとも、不合理で不条理な展開です。そのあたりが「Broken Blood」
シリーズ
の味なのでしょうが、「百合」しか求めていない人にとっては、
美味しくないですよね。

「百合」好き人間が、美味しい「百合」ものを読んでいるときに、
常に感じている不安をそのままやっちゃった
という感じです。
作者は「百合」好きがどういう気持ちで「百合」作品に接しているか、
恐らく理解していないのでしょう。

ただ、作者が「百合」否定派でないことは不幸中の幸いかもしれません。

確かに、この作品は「百合」好きにとっては痛い作品です。
あまりおおっぴらにおすすめできるものではありません。
しかし、こういう作品があっても良いのでは?
という気がするのも事実です。
そしてまた、明らかに「百合」であったと断言できます。


ただし、別の側面で苦言を呈するなら、この作品はプロットが単純すぎます。
普通の「百合」好きなら、「乙女の祈り」あたりを想起すると思います。
(作者が「乙女の祈り」を知っているかどうかは定かではないですが)

個人的に、こういう作品なら、プロットをもっと捻るか、由香里と雪乃の
変貌(?)に説得力のある、合理的な理由をつけて欲しかった
と思います。
その点がとても残念です。

しかし、個人的には「乙女の祈り」より好みです(笑)

今年の「百合」ニュースとして「ライトノベルの不振」を取り上げました。
この作品は手放しでは喜べないものの、来年の光明が見えてきた
という気もします。

おすすめ度は・・・
■■■■■■■□□□
とします。痛いのでも大丈夫という人なら
■■■■■■■■■□
をつけます。

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