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2005.01.26

ライトノベルに「百合」の花は咲くか?(その1)

久しぶりに硬派なネタでお送りします。

近頃、なにかとライトノベルのことを書くことが多いのですが、
今回は少し前から気になっていたことを考えてみようと思います。

それは、心理描写の面で有利な筈のライトノベルで、「百合」
作品が少ないのはなぜだろう?
という疑問です。

「百合」の一番重要な要素は心理描写である、ということを
「百合こころ」ではたびたび表明してきました。
しかし、本格的な小説ではエンターテイメント性が乏しく、
(個人的には嫌いではないけれど)ビアン小説は「百合」好きで
あっても敬遠する人が多いのではないでしょうか。

心理を容易に表現でき、エンターテイメント性のあるメディアと
いえば、やはりライトノベルであろうと考えるのが普通です。

昨年、「百合」は一部で、ある程度のムーブメントを起こした
わけですが、それにしてはライトノベルで有力な作品が少ない。
これはどうしたものでしょうか・・・。

長いこと疑問だったのですが、最近やっと気づきました。
それはライトノベルの女性読者に関係すると。

ライトノベルってよっぽど軟派(ロリで萌えとか)なものでなければ、
意外と若年層の女性読者が多いのではないでしょうか。
統計があるわけではないですが、経験的に、書店ではBLコバルト
以外のライトノベルを買っている女性を、見かけることは多いです。

これらの女性は、ライトノベルに、なにを望んでいるのでしょうか?

ちょっと考えたらわかります。男同士の恋愛ものがほしいなら、
BLを読めば事足ります。少女漫画的な恋愛ものが読みたければ
コバルトルビーなどを買うでしょう。大人の恋愛ものならハーレ
クイン
でも良いわけです。

ズバリ、ライトノベルを買う女性は、ヒロイズムを欲していると思う
のです。

ヒロイズムでは、格好良いヒーローの男性と、か弱いヒロインの
女性との恋愛話は当然あるものです。
# 「格好良い」「か弱い」は最近の作品では違うという方もいるかも
# しれません。しかし、そういう作品でも、ここぞというときは、
# 必ず「格好良い」「か弱い」の構図になりますよね。

ヒロイズムは、ある意味「百合」とは対極にある思想です。

BLを読まない(または箸休めとしてライトノベルを読んでいる)女性
読者は、同性愛的なものを望まないと思います。
(もし望めばBLという、欲望に最適化されたジャンルがある)

一方、男性読者は、一般的に(女同士であっても)同性愛的なものを
欲していません。
事実、現在も「百合」ジャンルを引っ張っているのは
女性作家です。(アニメ以外は)
少年漫画でも「百合」な作品は、ほとんど見かけません。

かくて、ライトノベルは、ボーイミーツガールであり、
「ボクがキミを守ってやる」となるわけです。

この考えの前提となる女性読者が、実際どの程度いるかは
わかりません。しかし、「百合」要素を排することで、出版社としては
女性読者が入りやすいように配慮している
、と考えるのは合理的
だと思います。

# 「ライトノベル完全読本」によると、好きなレーベルとして
# 上位3つ、「電撃文庫」「富士見ファンタジア文庫」
# 「角川スニーカー」をあげた女性読者は40%程度はいます。

もし、上記の論理が正しいなら、ライトノベルに「百合」の花を
咲かすのは容易なことではない
、ということになります。

ところで、アニメというジャンルを考えると、最初から女性視聴者を
無視できます。

# 女性はよほどの流行にならない限り、アニメのDVDなど買いません。

作者が出版社に対して弱い立場になりやすい、ライトノベルとは異なり、
アニメはライター(企画・監督・脚本)がやりたいことが実現しやすい
のではないかと思います。
# その分、責任も大きいわけですが。

閑話休題

では、どうすればライトノベルに「百合」が入り込めるか・・・
それは今後考えることにしましょう。

本日はここまで。

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コメント

自分の知ってる百合小説は『マリみて』くらいなのですが、
あれの主になっているものは保護-被保護の関係です。
保護-被保護はヒロイズムにも通じるものだと思うのですが。

ボーイミーツガールは状況説明の言葉ですから、
それが女性同士でも割とすんなりいけます。
(少なくとも、男の俺からすると違和感なし)

ライトノベル作者は男性が多い気がするので、
女性同士という発想をしない、
発想しても書ききれる自信がない、
いざ書いてもあざとい、ということなのでは。

あと、女性視聴者を無視してたら『最遊記』や『テニスの王子様』はアニメ化しないと思います。
作家とライターは明らかに作家の方が好き勝手しやすいですよ。
責任とはようするに絡む金の大きさであって、大きければ大きいほど通さなければならない筋が多くなるものです。

参考になるコメントありがとうございました。

>保護-被保護はヒロイズムにも通じるものだと思うのですが。

>ボーイミーツガールは状況説明の言葉ですから、
>それが女性同士でも割とすんなりいけます。
>(少なくとも、男の俺からすると違和感なし)

なるほど。男性読者だと確かにそうかもしれません。
しかし、こと、女性読者となると、女同士に(自分が欲する)
ヒロイズムを見いだせるかどうか、微妙だと思います。

>発想しても書ききれる自信がない、
>いざ書いてもあざとい、ということなのでは。

実際、こういう作家も多いでしょうね。
でも、一時「百合」っぽい作品を書いていて、その後書かなく
なるというパターンも多い気がします。

# 「EG.コンバット」を書いた秋山瑞人氏とか。

そういう「百合」指向のある作家は、「百合」がそれなりに
ブームになっている、今こそ、本格的な「百合」をやっても
よいと思うのは私だけでしょうか?

でも、実際には「百合」要素のあるライノベ作品は少なく
なっていると感じます。

>女性視聴者を無視してたら『最遊記』や『テニスの王子様』は
>アニメ化しないと思います。

すみません。誤解を与えたようです。
私も、すべてのアニメ作品が女性視聴者を無視しているとは
思っていません。

これらの作品は、逆に男性視聴者を考えていませんよね。
ライノベ(会社)は、男女両方に売ろうとしているのだと思います。
でも、アニメはどちらかに売れれば良い、というスタンスなのでは
ないでしょうか。だから、男性に目を向けると「百合」をやりやすい。
・・・と考えています。

>作家とライターは明らかに作家の方が好き勝手しやすいですよ。

ライノベ作家の実情をよく知らないので、そうなのでしょうか?
ということは「百合」作品が少ないのは、「百合」を好きな
作家が少ないから??
うう、その方が寂しいかも(汗)

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