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« 今週買った物など+検索順位 | トップページ | 雑誌「まんがタイムきららMAX」2005年6月号 »

2005.06.05

「瞬撃のヴァルキリィ」

深見真・著、ファミ通文庫・刊

読了後の第一印象・・・「フカミイズム」は死んでは
いなかった!

話の内容は・・・世界大戦後の荒廃した世界に、凄腕
格闘家・コルセスカF1が現れる。彼女の野望とは一体?!
というような内容です。

雰囲気としては、深見真氏の代表作「アフリカン・ゲーム・
カートリッジズ」
のハードボイルドな雰囲気をそのままに、
ライトノベルに移行したという感じです。
そのため、戦闘シーンはなかり残虐です。
ファミ通文庫の範囲を超えているような気もして、一読者に
過ぎない私もハラハラしてしまいます。

こう書くと、「北斗の拳」みたいとも言えるのですが、コルセスカ
の目的がケンシロウと違って、単に仇討ちではないところが
とても良いのです。

コルセスカの野心的ギラギラした、それでいて、ちょっと
お茶目
な性格がとても好感が持てます。
こういう女性キャラはそんじょそこらにはいないと思います。
実に「フカミイズム」を感じるキャラです。

深見氏は、英雄を描きたいのだと思います。
女性の英雄です。

普通こういう作品だと、女性の英雄には得てしてオトコ
の恋人などがいるのです。そして、時にはそのオトコに弱い
ところをみせたり、イニシアチブを渡したりするのです。
しかも、そのオトコは、読者にとっては大した価値もない
キャラだったりするのです。

作者としては、読者に好感を持たせるため、オトコの恋人を
設定していると考えることもできますが、はたして、彼女は
「真の英雄」と言えるのでしょうか?
読者にとって価値のないオトコが好きな女性キャラは価値が
ないのではないか。

女性キャラの価値をまじめに考えると、こういう疑問が常に
発生します。

「百合」はこの疑問にある程度、明確な回答を示すことが
できます。その答えの一つが深見作品だと言えます。

この作品でも、それは如実に現れています。
深見作品においては、強い女性キャラクターは必ず女性が
好き
なのです。本当に徹底しています。

これを表して、私は「フカミイズム」と呼んでいます。

ここまで、分析的なことばかり書いていましたが、小説と
してもとても楽しい作品でした。文章の歯切れがよく、作品
世界にひきつけられます。
ライトノベルとしては少し分量も多いのですが、それを感じ
させないパワーを感じました。

久しぶりの深見作品が、これほどのパワーを感じさせることに、
ファンとして非常にうれしく思いました。感激しました。

おすすめ度は・・・
■■■■■■■■□□
としておきます。

本当は9にしたかったのですが、物語の導入部という感じでも
あるし、肝心なコルセスカとヒジョンの関係を描写する前で
終了している点で、マイナスにしています。
しかし、2巻が出れば、間違いなくそのあたりを埋めてくれる
と思います。2巻が本当に楽しみです。

個人的に2巻は、以下に注目しています。
深見真の描きたい、英雄(革命家)としての女性像
女性である必然性のようなものを感じさせてくれれば、
ベストです。
英雄が持つ、カリスマ性
これが一番重要だと思います。コルセスカはとても魅力的な
キャラクターだと思いますが、まだ小さくまとまっている
印象もあります。
英雄の放つカリスマ性をどう表現するか、楽しみです。
コルセスカとヒジョン、ルシアとメグミの心理的結びつき
もちろん「百合」としては期待したいところです。

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コメント

いつも興味深く読ませていただいてます。

今回の「読者にとっては大した価値もないオトコ」に対する記述も共感度大です!

先日、管理人様も書いていたとおり、「舞-HiME」、「苺ましまろ」、「極上生徒会」という百合的に期待できるゲームが全てダメになってしまったのもこれのせいですよね‥
百合好きとしては本当に悲しいかぎりです。

そして‥2巻!
なんと素晴らしい響きでしょう!
てっきり1巻完結だと思っていた、自分のネガティブシンキングに、嫌気がさします‥

「百合姉妹」が「百合姫」として復活するこの時代に、深見作品が続刊しないハズがないですよね!

管理人様には、またまた大切なことを教えていただいた想いです。

ただ、同様に楽しみに待っている「出撃っ!猫耳戦車隊」の2巻「猫耳戦車隊、西へ」が、まったく音沙汰ないのが‥‥‥

長文、誠に失礼しました
いつも秀逸な感想、お疲れ様です

毎日の更新お疲れ様です。

以前こちらで、買いなさい。命令です。
と書かれてあったのを見て、「瞬撃」
速攻ゲット&読破しましたが、著者紹介
のとこの、最近衝撃を受けた小説、
中山可穂「感情教育」(!)だけで、
キターッ!!ってカンジでした。

しえすたさま

コメントありがとうございます。

>「舞-HiME」、「苺ましまろ」、「極上生徒会」

ですね。でも、こういうのを無批判に買う人たちが
いるのも事実なんですよね。悲しいことです。
なぜ、女性キャラが本来の価値を落としていることに
気づかないのでしょうね。単に鈍感なのでしょうが。

>2巻

是非出て欲しいですね。コルセスカとヒジョンの未来を
読みたいです。ファミ通文庫、頑張ってくれないでしょうか。
読めなきゃ死んでも死にきれないです。
「百合」幽霊になりそうです。
(私もネガティブシンキングかも)

>「出撃っ!猫耳戦車隊」

ですね・・・。出版社は違いますが「蒼穹の女神」も2巻
までですし。ライトノベルって本当に作家に冷たいですね。
売り上げ至上主義というか。
「マリア様がみてる」だって、7,8巻までほとんど無名
だったわけだし、もう少し長い目で見てもバチは当たらない
でしょうに。
(ある意味、コバルト文庫が特殊だとも言えますが)

私も長文になってしまいました。それでは。

Wild Fanciezさま

>買いなさい。命令です。

わわ、すみません。でも「百合」の理解度において
深見真氏はライトノベル作家の中では非常にハイレベル
だと思います。このまま埋もれて欲しくないので、つい
強硬なことを書いてしまいました。

>著者紹介

深見真氏は毎回、「百合」好きならニヤリとするような
本を挙げています。そういうところも良いですよね。
といいつつ、私はまだ中山可穂「感情教育」は未読
なのです(汗)

私ももっと精進せねば。

コメントありがとうございました。

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