「アンダカの怪造学」
日日日・作、角川スニーカー文庫・刊
第一印象は・・・これ本当に18才(正確には17才のとき執筆)の作品?!
話の内容は、「ポケモン」や「モンスターメーカー」といった召還もの
のRPGと「鋼の錬金術師」を足して2で割って、学園ものにしたような
印象をもちました。
しかし、召還手法を「怪造学」という学問に押し上げ、現実の学問でも
よくあるような閉塞感を嘆く一派がいるという設定にしたのは高校生
離れしていると思います。
前半は、たびたび「かわいらしい」と思える、若さゆえの表現のような
部分もあるのですが、後半はうってかわって雄弁です。
多少雄弁すぎるような気もしないではないですが、若くしてこれほど
の文章を、破綻なく書けているのは純粋に驚きに値します。
また、ネーミングセンスがとても面白いですね。
あとがきで第三者の協力があったということがかかれていますが
謙遜しているところを見ると、ある程度自信がある証拠では
ないでしょうか。(ペンネームからも判りますよね)
本当に、10年に一人の逸材だと思いました。
新人賞を総なめにした実力は本物です。
しかし・・・現在の商業至上主義のライトノベル界がこの才能を
活かすことができるでしょうかね?
私はできないと思います。
ライトノベルではせいぜいベストセラー作家にしかなれないでしょうね。
(出版社はそれで良いでしょうが)
肝心な「百合」としては・・・主人公が(男に)惚れっぽい性格?
なので望み薄、という気もしますが、怪造生物の桃子との友情や
(今回はあまり活躍しませんが)親友の魅神香美や、主人公に
期待(野望?)をかける宇宙木氷蜜など、期待できる(妄想できる?)
要素は多いです。
でも・・・この作家からは「百合」好き電波は感じなかったです。
「百合」好きでもなく、前途有望なこの作家に「百合」を待望する
のは酷かもしれませんね。
おすすめ度は、期待も込めて
■■■■■□□□□□
とします。
「百合」になる要素がある限り、次巻も期待します。
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