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2005.07.03

「小さき花々」

吉屋信子・著、国書刊行会・刊

あの名作「花物語」の続編がこの「小さき花々」です。
読んだのは今年発売された復刻版です。ちなみに、
オリジナルは1935年の作品です。

短編集ですので、一作ずつ感想を書くことにします。

「忘れぬ眉目」
「小さき花々」で一番「百合」要素が高い作品です。
引っ越してきた少女と、お城の天守閣で出会った少女の
お話。
出会いとはかない別れ。そして、もどかしさ。さすがは
吉屋信子大先生という感じです。
涙さしぐむ名作です!

「天国と舞妓」
クリスチャンの少女と、舞妓の少女の話。これも「百合」
といえば「百合」と言えるかもしれません。
二人の少女を分かつ運命のいたずら。泣けます。

「姉の幻影」
姉妹に「百合」を感じることができる人には良いかも
しれません。薄幸の姉が泣かせます。
確かに、泣かすためのシチュエーションといえばそう
ですが、現代の作品のように下心を感じさせないのが
良いです。

「素直な心のひと」
裕福な少女と、貧乏な少女のお話。ちょっと教育的
感じです。「百合」はほとんど感じません。

「田舎の親類」
「小さい父さん」
完全に教育的な話になってきました・・・これが書かれた
のは昭和十年。そろそろエス要素の作品も書きにくく
なってきていることを伺えますね。

「考える子」
この作品も教育的ではありますが、話は巧いです。
豊かさを戒める作品なのですが、あと十年もすれば、この
作品が見直される世の中になっているかもしれません。

「たまの話」
メイドじゃなかった・・・女中とお嬢様の話です。
この作品も「百合」と言えるかもしれません。
不幸な人生を歩むたまと、輝かしい成長を遂げる萬里子の
対比が泣かせます。個人的に名作です。

「人形の家」
この作品も貧しさに中に輝けるものを見つけるという
コンセプトです。それはそうと、作品全体から、吉屋信子
少女への愛がうかがえます。

「女の子」
学校をサボる少女の話(笑)しかし、ある意味1970年代
テイストです。この時代としてはかなり新しいコンセプト
の少女小説だと思います。

総評ですが、確かに「花物語」のような濃厚なエス作品を
期待していると、ハズレと感じるかもしれませんが、
作品の質は高いと思います。昭和十年に書かれたものなので
エスっぽい作品は発表しにくくなっていたと思います。
それでも「忘れぬ眉目」は吉屋信子らしいし、どの作品も
少女への愛情を感じることができると思います。

おすすめ度は・・・
■■■■■■■■□□
とします。「花物語」より「百合」度はかなり低いですが、
「百合」を理解する上でプラスになる作品だと思います。

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