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2005.08.21

「ヤングガン・カルナバル」

深見真・著、徳間書店Edge・刊

「アフリカン・ゲーム・カートリッジズ」単行本だった
ので、初めての新書ですね。

文庫(ライトノベル)では、読者としても縛りを感じる
ことがあったので、個人的には新刊は新書と聞いたとき、
とても期待していました。

読了後のファーストインプレッションは、「さすが深見真!」
と感じました。期待通りの作品だったと思います。
縦横無尽というか、水を得た魚というか、生き生きとした
作品
だと感じました。

作品の内容は・・・現代に生きる、男女二人の高校生殺し
屋(ヤングガン)の話です。正直言って、ストーリー自体は
それほど目新しくはないと思います。

個人的には「アフリカン・ゲーム・カートリッジズ」に近い、
ある意味退廃的な雰囲気を持った作品だと予想していたの
ですが、思った以上に万人向けの作品になっていると
思います。

それというのも、ヤングガン、弓華と塵八の丁寧な
プロファイリング
のたまものだと思います。
趣味や考え方から、彼らの純粋さゆえのイタさみたいなもの
を感じることが出来ます。
このことが、殺し屋家業なのに、決して暗くなく、それで
いて明るすぎずという良いバランス感を醸し出していると
思います。

で、肝心な「百合」としては・・・
弓華がホンモノのレズビアンという感じが良いですね。

私は「百合」とレズビアンの違いは、ずばり「セクシャリティ
の思索と自覚」の有無
だと思っているのですが、弓華は
「自覚している」方に大きく傾いているキャラクターだと
思います。
それでいて、伶に対しては恥ずかしくなるような純情な
一面も持っているし、「百合」キャラとして非常に興味深く、
面白いキャラクターだと思います。

ただ、問題はこの後です。

深見作品は不運にも、続かない事が多いので、伶のような
弱い女性キャラが、弓華のような強いキャラに助けられる
までの展開ばかりでした。個人的には伶が弓華とどう
関わるか、弓華と釣り合う程度の(精神的)強さをどのように
獲得するのか、そのあたりを今後は期待しています。

おすすめ度は・・・
■■■■■■■■■□
とします。

今後、伶というキャラクターに巧い具合に重みをつける
ことができたら、最高です。
実は、続編が出る、ということも小耳にはさんでいます!

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コメント

更新お疲れ様です。

今回の記事も、深見作品の魅力を百合にこだわることなく的確に語られていて、読みながら感心することしきりでした!

>個人的には伶が弓華とどう関わるか、弓華と釣り合う程度の(精神的)強さをどのように
獲得するのか、そのあたりを今後は期待しています。

確かに!
弓華と怜の関係が次巻以降進展していくとすれば、この点を描写してくれると嬉しいですよね。

「委員長」との三角関係を期待してしまった自分が恥ずかしいかぎりです‥(汗)

>実は、続編が出る、ということも小耳にはさんでいます!

本当ですか!?

これで明日からも頑張って生きていけそうです!
というのは大げさですが、すごく楽しみです。

貴重な情報ありがとうございました。

感謝、感謝です。

コメントありがとうございます。

>「委員長」との三角関係を期待してしまった自分が恥ずかしいかぎりです‥(汗)

実は、私もこの展開をちょっと期待しています(汗)
でも、三角関係になると委員長が生死の危機に陥り
そうで、ちょっと不安です。

深見作品では女性キャラが殺されることはほとんど
ないという経験則はありますが、次回も周到するとは
限らないですし・・・

# いま、あれ?「委員長?」と思って読み直すと
# 「風紀委員」でした。私も「委員長」だと
# 勘違いしていました(汗)

そうそう、塵八の「対女性あがり症」が出ない女性キャラ
クターが数人いますよね。次回の「百合」ポイントは
そこかもしれません(笑)

風紀委員、根津香埜子は塵八と対面していないので
どちらの部類なのかまだ判りません。
考えてみると、便利な主人公(♂)ですね(笑)

>本当ですか!?

だと思います!

毎度、お返事感謝です。

>いま、あれ?「委員長?」と思って読み直すと「風紀委員」でした。

ご指摘ありがとうございます。
読み直してみるとその通りで、むしろ久遠怜のほうが委員長だったりして、驚きました(汗)

「漫画かギャルゲーのキャラかお前は」
という台詞あたりで記憶が捏造されとのかも‥

本当、お恥ずかしいかぎりです‥

>三角関係になると委員長が生死の危機に陥りそうで、ちょっと不安です。

確かにそうかもです。
実は今回、怜の小指の描写で地味にショックを受けてたりするので、結構切実です。

>そうそう、塵八の「対女性あがり症」が出ない女性キャラクターが数人いますよね。次回の「百合」ポイントはそこかもしれません(笑)

言われるまで気づきませんでしたが、この四人のうち少なくとも二人は、ヘテロではないんですねぇ‥

管理人さまの慧眼に感服です。

残りの二人も非ヘテロだと、個人的には嬉しいかぎりです。
二人ともまだ弓華と対面してないので、どんな風に関係していくか楽しみです。

>考えてみると、便利な主人公(♂)ですね(笑)

確かに(笑)
小暮塵八は、久々に好きになれそうな男性キャラだったのですが、こんな便利機能が付いていたとは‥!

今後もこの能力をフルに活用してほしいものです。

余談ですが、中学生のころマックスコーヒーが好きだった私にとって、牙崎文也も愛着の湧くキャラでした‥

本当に「ヤングガン・カンナバル」は最高です!
徳間書店様、是非続刊をば!

最後に、すごーく長文になってごめんなさい‥
お許しいただければ幸いです‥

コメントありがとうございます。

>本当、お恥ずかしいかぎりです‥

私も勘違いしていましたから(汗)

>実は今回、怜の小指の描写で地味にショックを受けてたりするので、結構切実です。

そうですね。私はあのシーンは「BOUND」(映画)を思い
出してしまいました(汗)
「BOUND」と同じく、生と死がとなり合わせという
雰囲気がありました。

>言われるまで気づきませんでしたが、この四人のうち少なくとも二人は、ヘテロではないんですねぇ‥

>管理人さまの慧眼に感服です。

(汗)実は違うかも。でも、もしそうだったら、私は
深見真という作家に再感服します。

>今後もこの能力をフルに活用してほしいものです。

ですね!
塵八は一見ラブコメの主人公みたいな性格ですが、
この能力を持っているというのは、作者の遊び心を
感じました。

そうそう、遊び心といえば、弓華がロールプレイング
ゲームをするシーンで、女性主人公を選ぶと「百合」
展開になるというようなところでも感じました。
「百合」好きならニヤリとするシーンですよね。

>本当に「ヤングガン・カンナバル」は最高です!
>徳間書店様、是非続刊をば!

同意!

・・・と思って、徳間書店のWebページを見ていると
発見!
http://www.tokuma.jp/edge/
上記から入って、左下の「刊行予定」をご覧ください!
#マウスに付いてくる司書さんはちょっとウザいですが(汗)

徳間は若向け新書の「エッジ」を本格的にやるつもりの
ようですね。ライトノベルではなく、もう少し上の世代を
狙うのなら、面白いブランドになるかもしれません。

お返事ありがとうございます。

>そうそう、遊び心といえば、弓華がロールプレイングゲームをするシーンで、女性主人公を選ぶと「百合」
展開になるというようなところでも感じました。
「百合」好きならニヤリとするシーンですよね。

激しく同感です。
私の場合、思い当たることがあってドキリとしたのは、ここだけの秘密です。

>上記から入って、左下の「刊行予定」をご覧ください!

おおお!続刊の情報じゃないですか!
「バウンド・トゥ・バイオレンス」‥今回も生き生きとした作品になりそうな予感がフツフツと湧いてきましたよ。

教えていただき、本当にありがとうございました!
発売が待ち遠しいですね!

そういえば、刊行情報の作品解説で「深見汁」という単語が連発されているのを見て、
「これ書いてる人も深見ファンなのかな?」
と、少し嬉しかったです。

ではではいずれまた。

コメントありがとうございます。

>「バウンド・トゥ・バイオレンス」

なにせ「バウンド」ですから。期待しちゃいますよね。
弓華も映画「バウンド」が好きらしいし。

>「深見汁」

良いですねこれ。私が考えた「深見イズム」よりプロが
考えたネーミングっぽいです。
でも、こう言われると恥ずかしいでしょうね・・・。

>発売が待ち遠しいですね!

激しく同意!

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