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2005.10.10

「歌姫-ロジエル- 白い花 黒い花」

桃井あん・作、集英社コバルト文庫・刊

今年最大の期待作、続編登場です!

これほど早く2巻が出るとは思ってもいなかったので、
かなり嬉しかったです。ハイ。

いつもは、オイシイ作品は後で読むという、私の習性
ため、鑑賞には時間がかかってしまうのですが、今回は
特別に早く読みました。

読後の第一印象としては・・・正当派続編です!と言える
と思います。

話の内容は・・・
春が来なくなった地方の謎を探るお話です。
今回は春の歌姫である、エイダとエマが登場。
冬の歌姫である主人公ユリアとユリアの半身(パートナー)
スイの4人で行動します。

まあ、お話としては正直言って、練り込み不足の感は
否めませんでした。春が来なくなった理由、という
核心的なところで、すんなり飲み込めないというか、
ちょっと疑問符が出るようなところがありました。

どうして、ユリアとスイまで呼ばれたのか・・・とか。
歌姫って、高等職業のはずなのに、弄ばれてる?とか(笑)

まあ、しかしそういうのは些細なこと。「百合」としては
前回より判りやすくて、なかなか良い作品になっていると
思います。

作品の前半はなんだかテンション低めで、どうなることか
と不安だったのですが、ユリアとエマが、ある「賭け」
したところから、がぜん良くなります。

思わず、スイと自分の絆の深さを知ってしまった、ユリア
の反応が恥ずかしくて、とても良いのです。
スイとどうつき合うかを考えるのも、実感がこもっていて
グッドです。こういうのは男性向け作品ではまずない
部分ですよね。

そして、今回は重要なキーワードが登場します。

「神化」

歌姫の半身同士が以心伝心することを言うのですが、
「百合」としては非常に期待できる設定ですよね。

ユリアがスイと通じ合っている?と悩むシーンも
とても美味しかったです(笑)

この作品って、はっきり「百合」というワケではなく、
大きな期待を持つと裏切られる感じもするのですが、
その実、「百合」好きなら唸るような設定や心理描写
ありますよね。

実に「百合」ポイントの捉え方の巧い作品だと思います。

そうそう、ユリアとスイも良いですが、今回登場の
エイダとエマも、なんというか、お似合いのカップル
という雰囲気がとても良く出ていたと思います。
ぶっきらぼうな物言いだけど、なんだか格好良い
エイダと、ちょっと意地悪で、子供っぽいエマ。

「百合」分野はカップルのタイプが固定化しがち
なのだけど、そういうアリガチ感が漂わないところが
好感が持てます。

作者がテキトーに「百合」を扱ってはいない証拠だと
思います。

おすすめ度は、
■■■■■■■■□□
とします。「百合」度は前回と同じ位だったのですが
話の内容がもう少しという感じだったので、
涙をのんで-1しました。

でも、ファンタジー世界観でこういう作品は、個人的に
非常に嬉しいです。また、コバルト文庫は男性向け
ライトノベルレーベルのようにすぐに打ち切りという
ことがないのも嬉しいですね。

次巻も期待しています!

過去の感想はこちら。
「歌姫-ロジエル- 禁じられた歌」

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