「マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ」
今野緒雪・作、集英社コバルト文庫・刊
発売から3ヶ月。やっと感想を書きます。
いつもなら次巻の発売や発表があるのですが、今の
ところないようです。次はちょっと時間がかかる
かもしれませんね。
さて、21冊目です!スゴイ!
これで皆川ゆか・著「ティー・パーティー」シリーズをも
上回りました。
前回は、誰が祐巳の妹になるか、という展開は一段落。
# 可南子の脱落は個人的にはかなり残念でしたが、
# ドラマとしてはアリかなと思いました。
今回は落ち着いて、妹決定!ということになるかと、
誰もが予想したと思います。
しかし、蓋を開けてみると、祐巳、由乃さん、志摩子さん
それぞれの試練への序章?が描かれます。
そういえば、「マリア様がみてる」の初期の巻では
毎回なにがしかのオドロキがありました。
最近はめっきりストーリーが予想の範囲内だったので、
まあ、今回も・・・と高をくくっていたのですが、
やられました。今回は。
特に、祐巳と祥子さま、そして柏木の関係に微妙な
動揺が生じるという展開は、かなり驚きました。
嵐の前のハラハラ感というか、そういうものを
感じました。
「薔薇のミルフィーユ」というサブタイトルも実に
巧いですね。それぞれの薔薇たちが重なり、織りなす
いくつかのストーリーという構成が美しいと思います。
今回は本当に、初期「マリア様がみてる」で味わった
驚きに近い感動を感じることができました。
「百合」としては、祐巳、由乃さん、志摩子さんの心の
揺れ動きを描いているわけで、見るべき所は多いです。
特に、祐巳が柏木に対して、何とも言えないライバル心と
ある意味、恐れのような感情を抱くところは、非常に
良かったです。
ここに来て、祐巳に柏木という最大のライバルが再出現。
祐巳は祥子さまの心をつなぎ止めておけるのか・・・
うう。考えただけでもハラハラ、ドキドキします。
しかし、21冊目というこの時期にこの展開は、どう見れば
良いのでしょうか。
これはやはり、避けては通れない「マリア様がみてる」
という作品の終焉への序章ではないでしょうか・・・
こんなに次巻が気になるのは久しぶりかもしれません。
おすすめ度は・・・
■■■■■■■■■□
とします。
過去の感想はこちら。
●「マリア様がみてる イン・ライブラリー」
●「マリア様がみてる 特別でないただの一日」
●「マリア様がみてる チャオ ソレッラ!」
●「マリア様がみてる バラエティギフト」
●「マリア様がみてる 妹オーディション」
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