「少女セクト」
玄鉄絢・作、コアマガジン・刊
成年漫画です。
この記事は15歳未満の方はご遠慮ください。
そういえば、この作品も今年の「百合」界を賑わせた
といえるかもしれませんね。
読後の感想としては・・・
綺麗な画風と、ちょっとオシャレなセリフ回し。
甘々のエロシーン。そこらのエロ漫画とは一線も
二線も画す作品です。・・・でも、やはりエロ漫画
という範囲を超えるものではありませんでした。
女子校の寮に集う女の子たちの話です。
時に甘く、時に激しい恋のさや当てが行われる・・・
という内容です。
本当に男性キャラは一人も出てきません。
その徹底ぶりはスゴイですね。最近のエロ漫画業界
ではハードな内容にならざるを得ないようなところが
ありますが、このレベルの(軽い)エロで、よく1冊
出せたなあ、と素直に感心します。
これもひとえに玄鉄絢氏の(いろいろな意味で)巧さ
に依るところでしょう。
ただ・・・やはりエロ漫画の範囲内なのです。
1話の内で、必ず1回以上のセックスシーンが無駄に
入るし、全キャラの濡れ場もあるし・・・
エロ漫画の範囲を超えるつもりだったのなら、こういう
決まり事から壊して欲しかったです。
壊す気がないのなら、このエロは軽すぎると思います。
# 甘さはそれなりにオイシイとは思いますが、
# この程度ではエロはエロとして機能せず、却って
# 甘さを削いでいると感じられたので。
どうも、中途半端にエロ漫画という存在に留まって
いるという気がしてなりません。
こういう作家こそ、「百合」アンソロで描いて欲しい
ですね。この作家からエロを取り去ったとき、どう
いうものを表現するか、とても興味があります。
そうそう、この作品を読んでいたら、みずすみ俊明
という(昔の)エロ漫画家を思い出してしまいました。
みずすみ俊明氏も初期の頃は、ほとんどレズもの
オンリーでしたよね・・・(遠い目)
# みずすみ俊明氏はもっとエキセントリックなノリ
# でしたが、ちょっと上品な感じの出し方が似ている
# ような気がしました。
まあ、結論としてはエロ漫画のレズものの最高峰
佐野タカシ氏の「プリティタフ」には届かなかった
と思います。
しかし、この作品はある程度の支援を得たわけですし、
この作品に続いてくれる作家が現れ、エロ漫画誌の
編集が考えを変えるきっかけになってくれれば、
万々歳です。
おすすめ度は・・・
一応、成年ものなので、保留としておきます。
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