「TOWA」
藤永梓・作、新風舎、Jam Novels・刊
第一印象は・・・ううむ。「百合」以前にかなり
キビシい作品です・・・。
新しいライトノベルレーベル、新風舎、Jam Novelsの
方向性を見極めるべく「百合」ではないだろうと
思いつつも入手した本作です。
あまり期待していない作品だったので、すぐに
読むことにしました(汗)
お話は・・・
遠い未来の話。人類は複数のコロニーで自治国家を
建設していた。各コロニーには「影」と呼ばれる
特殊任務を担うエージェントたちがいた。
主人公、ヒサ(♀)も「影」のメンバーだった・・・
結果から言うと、やはり「百合」要素は皆無と
言っても良い内容でした。
しかし、「百合」であるとか、ないとか以前に
小説として、ライトノベルとしての完成度にかなり
疑問を感じる作品でした。
なんというか、全体的に若すぎるのです。
ライトノベルにとって、若すぎるというのは決して
悪い要素ではないと思うのですが、その若さが
悪い方向にしか作用していないように感じます。
例えば「影」は少年・少女で構成されている
組織なのですが、みんな仲良し過ぎるのです。
まあ、SF的世界観で、学園モノのような雰囲気は
面白いと言えないこともないのですが、この作品の
主題である、仲間との信頼関係を描けていない
のです。
経験不足による甘さも随所に感じるし・・・
ライトノベルとしてもキビシいなあ・・・という
気持ちは大きいですね。
ただ、「百合」的な期待があるとすれば「この
程度でも良いなら、ボクもワタシも」という人が
何を間違ったか、「百合」作品を書いてくれる
可能性が、大手ライトノベルレーベルよりも
高いのでは?と感じることです(汗)
低いところを狙っているような感じですが、
新しいモノが出てくるということは、何か新しい
ことができる可能性を秘めているわけで、こういう
ところから「百合」的なブレークスルーが発生して
もおかしくないと思うわけです。
ということで、おすすめ度は・・・
保留とします。
さすがに、「百合」要素皆無の作品ですので、
点を付けることはできません。
次回の新風舎、Jam Novels配本に期待しています。
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