「永遠のフローズンチョコレート」
扇智史・著、ファミ通文庫・刊
前作「春は出会いの季節です アルテミス・スコード
ロン」で「百合」的に少し期待させてくれた、扇智史氏
の作品。ですが・・・
読後の第一印象は・・・これを「百合」というには
キツイですね。設定が普通ではない、普通のヘテロ恋愛
ものでした。
話としては・・・殺人鬼の女の子・理保。ある日、理穂
が殺したはずの女の子・実和は、死なない体質だった。
理保と彼氏と、実和の奇妙な三角関係が始まる・・・
という話です。
極微弱な「百合」要素があるとするなら、理保と実和の
の関係であり、実際にこの二人の濡れ場(汗)はあるの
ですが・・・正直言って、全く喜べないのです。
理保ははっきりヘテロだし、本物の無差別殺人鬼だし、
感情移入なんて出来ようはずもありません。
実和は理保が好きなのか?という行動もとりますが
ただのヘンキャラという印象の方が強いです。
この作品は坂入慎一著「F」シリーズに似ていない
こともないですが、「F」が可愛く思えるほど猟奇的
なのです。
ときどき入る、アニメ、漫画、ライトノベルなどの情報
がちょっと空回り気味で、作品全体の深みを削いで
いるし、よくこんな作品を出版したなあ・・・
とさえ思います。
まあ、出血描写が多い作品、猟奇的な作品に感情移入
するタイプの人間は少なからずいるので、そういう
人で、かつ「百合」的な妄想が出来る人に限り、
おすすめ度は・・・
■■■□□□□□□□
とします。
普通の「百合」好きには、全くおすすめしない作品です。
どうやら「春は出会いの季節です」も2巻が発売される
ことはなさそうだし・・・残念です。
ただ、この作品はファミ通文庫のフトコロの深さを
表しているとも言えます。これが良いのだったら
「百合」作品なんて楽勝ですよね。
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