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2006.07.03

「鋼鉄の白兎騎士団」II

舞阪洸・作、ファミ通文庫・刊

剣と魔法の世界。女性ばかりで構成された騎士団の
物語。第2巻です。

読後の第一印象は・・・登場人物の女性率100%!!
残念ながら「百合」度は低いですが、「百合」に
つながるスピリッツは十分に感じました。

前回、白兎騎士団に入団を果たした、主人公・ガブ
リエラを含めた10人が、新人騎士見習いとして、
活動を開始。しかし、ある事件に巻き込まれること
に・・・という展開。

舞阪洸氏はライトノベルの世界で10年以上活動して
いるベテラン。文章の適度な重さと、それでいて軽や
かに読ませる手腕は大したものだと思います。

ガブリエラの賢才っぷりがカッコイイのです。
完全超人的でないのも上手い設定だと思います。

また、この作品で巧いと感じたのは、女性キャラの
扱いです。(と言っても100%女性ですが)

女の子が多数登場する作品では、女の子同士の関係が
薄っぺらく思えてしまうことも多いですが、この
作品は彼女らの会話が妙にリアルなのです。

女心を判っているという意味ではなく、他愛のない
会話
や、ソリが合う/合わない同士が良く描けていて
女子校ものの雰囲気を出しているのが良いですね。

ただ、最初に書きましたが「ソリが合う」の中に、
今のところ「百合」な関係が見あたらないのです。

憧れや忠誠心はあるのですが、それだけでは「百合」
としては今一歩ですよね。

ということで、おすすめ度は、
■■■■■□□□□□
としておきます。

ライトノベルとしてなかなかの良作だと思いますが
「百合」としては作者次第と言うところです。

ただ、ハーレム状態を作るために女性キャラを多く
登場させるタイプの作品とは全く異質の存在である
ことも理解できます。

こういう、反ヒロイズム的な考えの作家は「百合」に
共感する素質を持っていると思います。

そうそう、作者のWebページには「好きな小説」として
「マリア様がみてる」もありました。
(かなり以前に書かれたものみたいですが)

ただ・・・最後の砦は結局、向き不向きでしょうね(汗)

このシリーズの感想はこちら。
「鋼鉄の白兎騎士団」I

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