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2006.09.25

「XXくすくす」VOL.6

本日の感想は1997年冬コミで発売されたOFFICE OUT
というサークルの同人誌。
短編小説と短編漫画で構成された170ページの本です。

読後の第一印象は・・・「百合」な作品も掲載されて
いますが、どちらかというとビアン系の内容です。
「美粋」系ともいえるし、バラエティに富んだ内容
だと言えます。

表紙は江川広実氏。どちらかと言えばエロ漫画家という
印象が強い作家ですがこういう企画にも参加していたの
ですね。それにしてもバニー姉さんと制服の女の子
のツーショットはちょっと妖しげで良いです。
今までに見た江川広実氏の絵で一番可愛いかも。

では、1作ずつ感想を書きます。

「マイティ♪スィート」高橋カナエ・作
不良(レディース)っぽい同級生・紗恵子に憧れる、愛奈
が主人公です。ドキドキ感はあるけど、全体的に完成度
が低い印象。セックスシーンも唐突だし。(でも甘い)
でも、シチュエーションの目新しさは良いと思います。

「最後の微笑」草深和・作
女に彼女をとられる男の話。
「百合」的にはちょっと外れているけど、個人的には
こういうのはちょっと好き。爽快感があります。
(おいおい)

「スウェーデン人」吉田ひな子・作
人妻に恋するして、その夫妻の家に間借りしている
女の子?の話。独特な文体が読みにくいけど、この作品の
内容には合っている感じ。ただ、奇をてらい過ぎの印象も
否めません。でも、同人誌だからこそ、こういうのをやる
べきかもしれません。

「ガールズブラボー」江川広実・作
女の子ウォッチングが大好きな二人の女の子の友情?話。
失礼ながら、私、江川氏のこんな生き生きとした漫画、
始めて読みました。二人の独特の関係が新鮮です。
江川広実氏も商業誌でこういう作品を描いて欲しかった
なあ・・・

「夏に来るもの」岡野径・作
最後の一行だけが、真夏の蜃気楼のように「百合」です。
珍しい作品です(汗)この作品も同人誌的といえるかも
しれません。

「ほがらかになんて別れない」斎木恵佳・作
さすが「百合」系同人誌作家です。
ちょっと幼い印象はするけど、甘さとちょっとした
切なさをもった良い作品。
それにしてもほがらと萌って、高校生くらいなの
だろうか・・・友達公認のカップルというのが
ドキドキ。これぞ「百合」という感じです。

「まとわる水」みなみ弓夏+上矢蓬・作
BL、というより「june」系というような漫画ですね。
「百合」要素皆無なのでノーコメント。

「墓には何と名を刻む。」Narihara Akira・作
自殺?した女性が、数人の女性に宛てて、遺書を書いて
いた・・・その内容とは・・・
こういう形式は文学作品では良くありますが、ビアン
ものとしては面白いです。でも、オチは・・・。
もう少し練って欲しかったような。

「疾走HOLIDAY」青樹恭 with M.・作
この作品が一番「美粋」っぽいですね。ストレートに
レズもののエロです。

「グラヴィティ」福原ナオミ・作
女同士の恋人の別れを描いた、本格的ビアンものという
感じです。気持ちのすれ違いが切ないです。

「待ってるだけじゃ始まらない。」一路・作
同人誌らしいキレイな絵柄の漫画です。シンプルな
告白話です。積極的な後輩が可愛いです。

「ラグタイム」二本木由実・作
女同士の恋人の別れを描いた、本格的ビアンものという
感じです。気持ちのすれ違いが切ないですし、説得力
もあると思います。でも、「グラヴィティ」とかなり
ダブりますね。

百合(仮):では、総評行くわよ。私は4点。作品の
完成度の波が目だつのよ。良い作品はあるけれど、
アレアレ?という作品もあるし。
わたくしが一番好きな作品は、やっぱり「ほがらかに
なんて別れない」
ね。美味しかったわ。この作品だけ
なら5点あげられるわ。

こころ(仮):私は2点。どの作品も短編だからか、作家の
余裕を感じなかった。
好きなのは「マイティ♪スィート」「スウェーデン人」
くらいかな。作品として新鮮だった。

百合(仮):合計すると、
●●●●○★★☆
ね。ポイントだけなら高いけれど、「百合」というか
ビアン系中心の作品集でこの点は、ちょっと残念ね。

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