「XXくすくす」VOL.6
本日の感想は1997年の冬コミで発売されたOFFICE OUT
というサークルの同人誌。
短編小説と短編漫画で構成された170ページの本です。
読後の第一印象は・・・「百合」な作品も掲載されて
いますが、どちらかというとビアン系の内容です。
「美粋」系ともいえるし、バラエティに富んだ内容
だと言えます。
表紙は江川広実氏。どちらかと言えばエロ漫画家という
印象が強い作家ですがこういう企画にも参加していたの
ですね。それにしてもバニー姉さんと制服の女の子
のツーショットはちょっと妖しげで良いです。
今までに見た江川広実氏の絵で一番可愛いかも。
では、1作ずつ感想を書きます。
●「マイティ♪スィート」高橋カナエ・作
不良(レディース)っぽい同級生・紗恵子に憧れる、愛奈
が主人公です。ドキドキ感はあるけど、全体的に完成度
が低い印象。セックスシーンも唐突だし。(でも甘い)
でも、シチュエーションの目新しさは良いと思います。
●「最後の微笑」草深和・作
女に彼女をとられる男の話。
「百合」的にはちょっと外れているけど、個人的には
こういうのはちょっと好き。爽快感があります。
(おいおい)
●「スウェーデン人」吉田ひな子・作
人妻に恋するして、その夫妻の家に間借りしている
女の子?の話。独特な文体が読みにくいけど、この作品の
内容には合っている感じ。ただ、奇をてらい過ぎの印象も
否めません。でも、同人誌だからこそ、こういうのをやる
べきかもしれません。
●「ガールズブラボー」江川広実・作
女の子ウォッチングが大好きな二人の女の子の友情?話。
失礼ながら、私、江川氏のこんな生き生きとした漫画、
始めて読みました。二人の独特の関係が新鮮です。
江川広実氏も商業誌でこういう作品を描いて欲しかった
なあ・・・
●「夏に来るもの」岡野径・作
最後の一行だけが、真夏の蜃気楼のように「百合」です。
珍しい作品です(汗)この作品も同人誌的といえるかも
しれません。
●「ほがらかになんて別れない」斎木恵佳・作
さすが「百合」系同人誌作家です。
ちょっと幼い印象はするけど、甘さとちょっとした
切なさをもった良い作品。
それにしてもほがらと萌って、高校生くらいなの
だろうか・・・友達公認のカップルというのが
ドキドキ。これぞ「百合」という感じです。
●「まとわる水」みなみ弓夏+上矢蓬・作
BL、というより「june」系というような漫画ですね。
「百合」要素皆無なのでノーコメント。
●「墓には何と名を刻む。」Narihara Akira・作
自殺?した女性が、数人の女性に宛てて、遺書を書いて
いた・・・その内容とは・・・
こういう形式は文学作品では良くありますが、ビアン
ものとしては面白いです。でも、オチは・・・。
もう少し練って欲しかったような。
●「疾走HOLIDAY」青樹恭 with M.・作
この作品が一番「美粋」っぽいですね。ストレートに
レズもののエロです。
●「グラヴィティ」福原ナオミ・作
女同士の恋人の別れを描いた、本格的ビアンものという
感じです。気持ちのすれ違いが切ないです。
●「待ってるだけじゃ始まらない。」一路・作
同人誌らしいキレイな絵柄の漫画です。シンプルな
告白話です。積極的な後輩が可愛いです。
●「ラグタイム」二本木由実・作
女同士の恋人の別れを描いた、本格的ビアンものという
感じです。気持ちのすれ違いが切ないですし、説得力
もあると思います。でも、「グラヴィティ」とかなり
ダブりますね。
では、総評行くわよ。私は4点。作品の
完成度の波が目だつのよ。良い作品はあるけれど、
アレアレ?という作品もあるし。
わたくしが一番好きな作品は、やっぱり「ほがらかに
なんて別れない」ね。美味しかったわ。この作品だけ
なら5点あげられるわ。
私は2点。どの作品も短編だからか、作家の
余裕を感じなかった。
好きなのは「マイティ♪スィート」と「スウェーデン人」
くらいかな。作品として新鮮だった。
合計すると、
●●●●○★★☆
ね。ポイントだけなら高いけれど、「百合」というか
ビアン系中心の作品集でこの点は、ちょっと残念ね。
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