「マリア様がみてる 大きな扉 小さな鍵」
今野緒雪・作、集英社コバルト文庫・刊
「マリア様がみてる」25巻目です。
今回は、新聞部主催バレンタインイベントを
今年も実行する!という話と平行して、瞳子の
秘密がついに明かされます・・・
では、本日は二人がレビューします。
「マリア様がみてる」って良いよね。
ああっ。明日は槍が降るわ!アレサ
ちゃんが素直にほめているなんて!
私は何者よ。まったく・・・
ほら「マリア様がみてる」って、
もう25作目じゃない。最近は展開が遅いと批判する
人も多いけど、この巻を読んで、改めてこの作品の
魅力を思い知ったわ。
ふっふっふっ!
なぜあなたが勝ち誇るのよ。
まあ、いいわ。とにかく、キャラクター
の描写が良いわ。ありきたりな言い方だけど、活きて
いるというか、とても感情移入できるのよ。
ライトノベルは数あれど、キャラクターの面で、ここ
まで完成度が高い作品ってそう多くはないと思う。
そうそう!今回は黄薔薇の微妙な関係。
祥子ちゃんとギンナン王子の絡むような
絡まないような会話。白薔薇さんチームのラブラブ
っぷり。そして、祐巳ちゃんと瞳子ちゃんの切ない
関係!そういう関係性というか、心理描写というか
そういうのが手に取るように伝わってくるのよ。
祐巳と瞳子がいつまで経っても姉妹に
ならないのはどう思う?
わたくしは早く姉妹になって欲しいと
思うわ。でも、やきもきさせられるの
のも悪くはないわね。
私は、さっさとくっつかないのがとても
良いと思うな。だって、現実の人間関係
だって、非常に長い間かけて形成されることも多い
じゃない。だから長い時間(巻)かかってもそれは仕方
のないことじゃない?
それにこんなに時間がかけられるのは「マリア様が
みてる」だけよ。並の作品なら1,2巻でさっさと
やらざるを得ないのが普通なんだから。
今野緒雪先生は「マリア様がみてる」という作品の
アドバンテージを最大限生かしているとも言えるの
じゃないかしら。
なるほどね。
姉妹という関係が完成してラブラブを
楽しむ、というのもあるけど、関係の形成までの
駆け引きを楽しむのも「百合」とも言えるわ。
あと、瞳子の秘密が明かされたけど、
柏木が何を考えているのか、話として
の盛り上げ方も良いと思うわ。
でも、わたくしにはその話の盛り上げが
「終了フラグ」に思えてならないわ。
さあ、それは作者次第じゃない?
では、総評ね。私は3点!久々にこの
作品が芯から楽しめた印象ね。
わたくしは、あえて3点。この作品の
「百合」のピーク時から考えると、
まだまだという印象がするわね。でも真性「百合」
分は少なくても「百合」的雰囲気だけでも楽しめるの
は確かね。
総評:●●●○○★★★
シリーズの感想はこちら。
●「マリア様がみてる イン・ライブラリー」
●「マリア様がみてる 特別でないただの一日」
●「マリア様がみてる チャオ ソレッラ!」
●「マリア様がみてる バラエティギフト」
●「マリア様がみてる 妹オーディション」
●「マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ」
●「マリア様がみてる 未来の白地図」
●「マリア様がみてる くもりガラスの向こう側」
●「マリア様がみてる 仮面のアクトレス」
●「マリア様がみてる イラストコレクション」
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