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2007.03.13

「しずるさんと無言の姫君たち」

上遠野浩平・作、富士見ミステリー文庫・刊

白い病院に隔離されたしずるさんと、頻繁にお見舞い
にくるよーちゃんの、いわゆる安楽椅子探偵もの
実に2年ぶりの、シリーズ3冊目です。

では、本日も二人がレビューいたします。

ヒューシア:じっちゃんの名にかけて!
謎は全て解けた!初歩だよ、ワトスン君!
私の灰色の脳細胞が活動を始めた!見た目は子供、
頭脳は大人!ウチのカミサンがね・・・マリリンモン
ローノーリターン!

アレサ:えっと・・・なにから突っ込んで良い
ものやら。また酸素欠乏症の発作が
出たの?マリリンモンローノーリターンって…

ヒューシア:謎は全て解けたのよ!良いこと、アレサ
ちゃん・・・
・・・しずるちゃんとよーちゃんはズバリ、相思
相愛
なのだわ!

アレサ:結局それが言いたいのね。疲れる・・・
まあ、そう言いたい気持ちもわかる。
今回も、しずるさんの元によーちゃんが怪奇な事件の
資料を持ち込む、という展開の短編が4本で構成され
ているわけだけど、最初の作品に比べたら、明らかに
謎解きより、しずるさんとよーちゃんの会話劇に重点が
置かれているよね。

ヒューシア:それだけじゃないわ。
話の量が増えるにつれて、しずるちゃん
のために資料を集めるよーちゃんの、しずるちゃんに
対する想いが、形になってきていると思わない?
そして、より重要な事には、しずるちゃんはその気持
ちを十分に判っている・・・と思わせるセリフを
言ったりするのよ!
これは、なかなか高度な「百合」と言えるわ!

アレサ:ヒューシアに同意。
今回、この作品ってこんなに「百合」
っぽかった?って思った。
この作品って、ほとんどしずるさんとよーちゃんの
会話で構成されているじゃない。それだけで二人の
濃密な時間を感じた。二人の距離感を気にするよー
ちゃんの心理描写も悪くないよね。
推理ものとしては、高尚過ぎて、面白みに欠ける
ような気もするけど。

ヒューシア:良いのよ!考えるな、感じるのよ!
それが「百合」なのよ!

アレサ:ええっ?名探偵達も草葉の陰で泣く
ようなセリフね。

ヒューシア:それはそうと、この作品って今回で
終わりなのかしら。ちょっと終了フラグ
っぽい終わり方だったけれど。
ああ、二人の恋愛成就まで、結婚するまで、読みたい
わ~

アレサ:では総評。私は2点ね。推理ものとして
出来が良ければ満点だったけど。

ヒューシア:わたくしは4点
しずるちゃんとよーちゃんの愛の明確な
Q.E.Dがあれば5点だったわ!ああ、続刊しないかしら!

総評:●●●●○★★☆

このシリーズの感想はこちら。
「しずるさんと偏屈な死者たち」
「しずるさんと底無し密室たち」

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コメント

こんにちは。

>今回で終わりなのかしら
現在も「ファンタジアバトルロイヤル」という雑誌で連載中のようです(私は文庫しか読んでません)。
http://www.fujimishobo.co.jp/novel/
ですからまだ続きます。ヒューシアさん(笑)。
でも、1冊分たまるのに、また2年ぐらいかかりそう。

これ気になってたんですよね~上遠野さんの作品は昔集めてたので。でも氏の文は推理モノに向いてない気がする・・
百合描写が結構ありそうなので、集めてみようかな。

コメントありがとうございます。
★ワトソン様

>「ファンタジアバトルロイヤル」という雑誌で連載中

うほっ!!
教えて頂いてありがとうございます。
ヒューシアも喜んでおります(汗)

★リグル様

>百合描写

積極的な百合描写ではないのですが、味わいが
あって良いと思います。推理モノとしてはアレ
ですが・・・

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