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2007.03.12

「ストロベリー・パニック」V

「アストラエアの丘」にある、3つの女学校の共通の
寄宿舎・いちご舎を舞台にした、ガールズリリカル
ストーリー。第五巻(12~14話)の感想です。

夏休み。渚砂と静馬の距離が急接近の12話
要と桃美のワルダクミ・第二弾。13話
光莉と夜々の喧嘩と仲直り。でも切ない14話

本日は二人がレビューいたします。

ヒューシア:渚砂ちゃんと静馬ちゃんがキスしたり、
夜々ちゃんが光莉ちゃんをったり、
だんだん核心に近づいてきた印象ね。ドキドキの
連続ね~

アレサ:私はそれより、話が繋がってきている
のに注目してる。最初のうちは、決め
られたテーマに沿ってエピソードが組み立てられて
いた感じだけど、ここにきて複数のキャラクターの
心理とお話のつながりが見えてきて、アニメ作品
として面白くなってきたと思うな。
でも「百合」としては・・・

ヒューシア:「百合」としては不満?

アレサ:まだちょっと不満かな。
この作品ってほら、学園以外の登場
人物ってほとんど出ないじゃない。それだけ学園
世界観への没入
を促していると思うんだけど。

ヒューシア:良いじゃない。「学園世界」
「百合」に耽溺。ステキだわ~。

アレサ:それは否定しないけど、そんなに
感情移入できる?
私は「百合」世界
に没入できる数々の仕組みがあるにも関わらず、
微妙なところで現実に引き戻されるような気持ち
がするし、そのギャップがどうも気になる。

ヒューシア:確かに、有名な「百合」作品と比べ
ると何か足りない気持ちもするけれ
ど、それがこの作品の特徴とも言えるのじゃない
かしら?

アレサ:ううん。たぶんその程度のものなの
だけど・・・少なくとも作画微妙な
演出の失敗
で感情移入が阻害されるのは残念ね。

ヒューシア:良いところも多いわよ。特に15話
その前の話の"事件"で、光莉ちゃんと
夜々ちゃんは喧嘩状態になるのよ。15話で仲直り
するのだけれど、光莉ちゃんの言葉の何気ない言葉
で夜々ちゃんはまた追い込まれていきそう・・・
ああ、切ないわ~。

アレサ:でも、夜々ってキスした上にお尻や
胸まで揉むんだもん。これって、
要マジックね(汗)
それにしても、要と桃美も、女の子を力づく
落とそうなんて、女の子の考えじゃないよね。
昔のドラマの悪役みたい(汗)
そういうヘンなところがイケナイのかなあ。この
作品って。

ヒューシア:つっこみどころも多いけれど語る
べき点も多い巻だったと思うわ。
・・・ということで総評いくわよ。

アレサ:私は2点。やはりほんの少しのアラ
がとても気になる。だから-1点。

ヒューシア:わたくしは5点付けちゃうわ!
確かに、過去の名作「百合」作品と
比べると欠点も見えるけれど、新しい「百合」
ファンを開拓するにはこれで良いと思うわ。
わたくしは懐古主義じゃないもの!

総評:●●●●●★★☆

このシリーズの感想はこちら。
「ストロベリー・パニック」I
「ストロベリー・パニック」II
「ストロベリー・パニック」III
「ストロベリー・パニック」IV

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コメント

私も最近ストパニ見はじめました。
15話の親友以上は注目してた回なのでコメントします。
いくら要マジック(言葉お借りしますw)とはいえ、あそこまで夜々がしたのに最後なかったことになっちゃうのは残念でした。友達に戻るということで、話的にはスムーズに終わったのかもしれませんが、最後の夜々の私だけの天使じゃなかったっていうセリフが切なかったです・・
あと、個人的に脇役の水島ちゃんと千早の弓道着にまつわるやりとりがかわいくてよかったです。
私は批評できないのでキャラ寄りの感想になっちゃっててすいません。
それでは失礼します~

>感情移入が阻害される
違う所で引っかかっているのかもしれませんが、
私にも同じような感覚があります。
しっとりとした描写がある一方で、
過激でオーバーな演出があったりする。
その辺のチグハグさに、どうも落着かない。
かと言って、それが不快かと言えばそうとも言えず、
なんとも捉えどころがなくて困ります。

>夜々ちゃんはまた追い込まれていきそう・・・
鋭い!
これであっさりケリがついてしまうほど、
ストパニは甘くありません。
「選ばれない天使たちに羽さえもいらない」
なんて歌い出したくなるほど、容赦ないんです。

>切ないわ~
「ずっと親友でいてね」
と光莉に言われた時、一瞬呆然として、
それから全てを諦めたように哀しげに笑う、
そんな夜々の姿には胸を締め付けられます。

コメントありがとうございます。
★リグル様
>要マジック

Mark様も書いていらっしゃいますが、要マジックと
切なくて良いセリフが同時に存在する作品なん
ですよね。
そのギャップに、鑑賞者としては心の置き場所に
困るのです。

>水島ちゃんと千早

良かったですね。「ストパニ」に置いては、
なんだか一番普通の感情に思えました。

>キャラ寄りの感想

いえいえ、素敵な感想ありがとうございました!

★Mark様
>なんとも捉えどころがなくて困ります。

まさにそうだと思います。

ただ、この作品を違和感なく観ている人たちもいる
んじゃないかと思うんですよね。
そして、「百合」の次の世代はそういう人たちが
作る可能性もありますし・・・だから否定はした
くないなと思っているのです。

>鋭い!

ということは、今後ますます夜々サイドは面白く
なりそうですね。ドキドキしながら鑑賞いたします!

>ドキドキしながら鑑賞いたします!
あまり期待されると……。
ドキドキするようなものではないと思いますよ。
胸は痛くなるかもしれませんが。

コメントありがとうございます。
★Mark様

>胸は痛くなるかもしれませんが。

いえいえ。こちらのドキドキも期待していますよ。
いろんな気持ちを味わいたいです。

はじめまして、ストパニ関係のブログを探していたら辿りつきました。
ここに書いてあります、「微妙なところで現実に引き戻される気持ち」
がなぜ起こるのか、ストパニを研究した結果、おそらくの答えが見つかっているのですが、興味ありますか?

コメントありがとうございます。
★clouds様

>興味ありますか?

コメントのやりとりで数人の方から意見をいただいて
いるのですが、他の意見をお持ちなら是非聞いて
みたいです!

>ストパニを研究

自体にも興味あります。どこかに発表されていますか?

>研究
新たな視点の提示を主目的に研究の原案らしきものをある掲示板で発表しました。大した価値は無いと思います。
もしかして、すでにご覧になられていたりしますでしょうか。
研究といっても、目的が達成されてない以上準備段階に過ぎません。
全ての疑問に答えを出すまでにはまだ時間がかかるでしょう。

私にとってストパニは最近現れたアニメですが、既に放送から一年以上経っています。
ですから、私が考えたり発見したりすることなど、当の昔に議論し尽くされているのかもしれません。


では本題の、「微妙なところで現実に引き戻される気持ち」がなぜ起こるのか、私の意見を発表します。
まず視聴者がこの世界=アストラエアに入り込むにあたって受け入れなくてはいけないストパニ根幹の設定を挙げると、

1・男性はいない世界
2・同性愛は当たり前である

そして視聴者はこれらを受け入れ、特殊な世界中に入っていくことになります。
ですから、「現実に引き戻された」(あるいは感情移入が疎外された)と感じたのは、受け入れたはずの根幹の設定に揺るぎが生じたからと考えられます。
その原因となった部分を、私が気づいた限り挙げようと思います。

まず一番大きいと思われるのがのが12話で明らかになった、「深雪は卒業後結婚しなければならない」という事実です。
先ほど挙げた1と2両方に反しています。
このアニメは、8話だけを見ても分かるように、細部まで緻密に設計されています。
ですからこれから挙げる普通ではミスとされてしまうような小さな点も、見過ごせなくなってきます。

3話 屋根裏に男性の石像
6話 ルリムの部活に「特撮”ヒーロー”」
9話 有名な「パティシェ」(男性形の名詞)から「取り寄せ」
19話 静馬の部屋の雑誌の表紙に、男の顔

他にもあるかもしれません。どれも一見しただけでは意識はしないでしょう。ですが、サブリミナル効果のような形で「微妙な違和感」を残している可能性があります。
9話の「取り寄せ」もそうですが、外の世界を感じさせるのも有効でしょう。(これは他にもあります)

視聴者が感情移入できるよう、いかに特殊な空間を特殊と認識させないようにすることは最優先事項でしょう。
ですからこんなこと、何か特別な意図がなければやらないと思います。

書いてから気づきましたけど、上の文章は自分のストパニに男が入ってきたら嫌だなあ
(理由は色々ありますが特にキャラ同士の愛が薄まりそうで)
という感情から、男性は出してはいけないっていう前提で話を進めてきましたが、
あくまで主観であって他の人もそう思っているとは限らないんですよね・・・
設定が似ている「マリみて」は見たことが無いのですが、もしかして男性も自由に闊歩しているのかもしれませんし、
あるいは大多数の人は男が出ても何とも思わないのかもしれません。
だとしたら上の文章には全く意味が無くなりますね・・・はあ・・・

コメントありがとうございます。
★clouds様

読ませて頂きました。
なるほど。なかなか考えられていますね。

この世界世界=アストラエアへの導入で、ある種の
催眠誘発剤があり、それはclouds様の挙げた二つの
要素である、というのは納得ですね。

そして、この催眠誘発剤の効きを阻害する要因が
「現実に引き戻された」感である。というのも
納得です。

「百合」好きは男性キャラを阻害する方も多いので
過敏に反応するのも判ります。
私も今はそうでもないですが、以前は過敏でしたし(汗)

同性愛当たり前の世界を終始貫徹していないという点
は、私も感じました。(ちょっと中途半端だなと)

他の方が挙げている「演出のちぐはぐさ」もこの
催眠誘発剤の論理に近いかも知れませんね。

演出の良さは、作品世界へのスムースな誘いになる
けれど、ちぐはぐなところがあると阻害される。

そう考えると、この作品はやはり設計に甘さ(というか
いびつさ)があるのは否めないのでしょうね。
ただ、そのいびつさを含めて、憎めない作品である
ことも間違いないのですが(汗)

あと、「マリア様がみてる」は「ストロベリー
パニック」よりは男性キャラが多く登場します(汗)
("闊歩する"という程度ではないですが)

「マリア様がみてる」を読めば、男性キャラへの
過敏反応は無くなるかも知れませんよ。
実際、私もそうでしたし(汗)

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