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2007.03.26

「ストロベリー・パニック」VII

「アストラエアの丘」にある、3つの女学校の共通の
寄宿舎・いちご舎を舞台にした、ガールズリリカル
ストーリー。第七巻(18~20話)の感想です。

渚砂が「もう一人のエトワール」こと花織と静馬の関係
を知る18話。花織と静馬そして、深雪の関係が語られる
19話。落ち込んだ渚砂を玉青をはじめとした仲間が
励まそうとする20話です。

本日は二人がレビュー致します。

ヒューシア:ジュルジュル、ズズー、ジュルル・・・

アレサ:わ、汚っ。顔拭きなさいよ。

ヒューシア:ジュルる、だってだって、これは涙なく
しては観られない展開
よ~ずずず・・・

アレサ:「もう一人のエトワール」・花織の事が
語られる展開。確かに、演出・脚本とも
冴えていて集中力があって、良くできていたと思う。
私もちょっとはウルっとなったもの。

ヒューシア:でしょでしょ~、じゅる、ずずず・・・
泣けるわ~~ずる、ずるぅ。

アレサ:とても、良かったのだけど、ここに来て
当初抱いていた、不安が当たってきたと
も感じるな。

ヒューシア:ええ~?!こんな素晴らしい作品にケチを
付けようと言うの?!じゅるる・・・

アレサ:別にケチじゃないけど・・・
端的に言えば、辛い立場にいるはずの
静馬に感情移入というか、彼女の心理に納得できない
と言ったら良いかも。
ほら、静馬って、最初はプレイガールだったじゃない。
渚砂にキスしようとしたりして。ところが、18話
展開はどう??

ヒューシア:だって、あれは花織ちゃんの部屋だから
こそでしょ?

アレサ:もしそうだとしても、静馬というキャラ
クターの説得力にならないと思うのよ。
なんというか、そうね、ヘタレ過ぎるのよ。
聖ミアトル女学園のカリスマエトワール。でも、その
実、流されてばかりだし、弱いところばかり見せている
印象なのよね。渚砂が逃げても何も出来ないし。
逆に言えば、カリスマという設定が高すぎて、弱い部分
ばかりの静馬というキャラとのギャップを感じるの
だと思う。

ヒューシア:アレサちゃん。人は、弱い生き物なのよ。
わたくしだって、最弱よ~

アレサ:はいはい。ヒューシアが変キャラという
ことはよく知ってる。
静馬は、そういうキャラ設定なのだろうけど、この
作品の渦中の人物として、深雪や間接的に玉青にも
哀しい想いをさせる人物として、説得力を感じない。

ヒューシア:じゃ、どうだったら良いと思う??

アレサ:そうね。やはり物語の初期段階で、もっと
本物のカリスマ性を見せるべきだだったと
思うな。カリスマ演出ではなくて、具体的な仕事として。
この作品は初期段階では「百合」イメージ先行のエピ
ソードばかりだったじゃない。あれの代わりに静馬の
株を上げるエピソード
を入れるべきだったと思う。

ヒューシア:でもでも、それは小さなことだわ!
7巻では特に、深雪ちゃんや玉青ちゃんや
夜々ちゃんの切ない表情が印象的だったわ。
ああ、切ないわ~苦しいわ~。好きでいることがこんな
に辛いなんて~。それこそこの作品の神髄ね。わたくし
も少女の頃・・・

アレサ:はいはい。同じネタ。あなたはお婆ちゃん
ですか?でも、そういう切なさがこの作品
のツボというのはよく判るわ。
ここまで徹底的な作品って無かったよね。当初、オリジ
ナリティがどうとか、批判したけど、ここに来て立派な
オリジナリティ
が出てきたよね。

ヒューシア:少女の頃~・・・じゃ、総評行くわ。
わたくしは誰がなんと言おうと5点
これ以外は認めないわ!

アレサ:私も3点。主要キャラクターに納得でき
ないというのは大きいけど、それを引い
ても良くできていたと思う。納得の満点。

総評:●●●●●★★★

このシリーズの感想はこちら。
「ストロベリー・パニック」I
「ストロベリー・パニック」II
「ストロベリー・パニック」III
「ストロベリー・パニック」IV
「ストロベリー・パニック」V
「ストロベリー・パニック」VI

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コメント

>本物のカリスマ性を見せるべきだった
そうなんですよね。
16話で、多少それらしい描写がありましたが、
まだまだ弱い。
同じことが、天音についても言えて、
結局、ミアトル組、スピカ組とも
ストーリー進行の中核になる人物が、
十分な求心力を持っていないという事に。
そのため、前にもコメントしたように、
私みたいに、不遇組に入れ込む人間も
出てくるわけです(笑)。

>それこそこの作品の神髄
激しく同意です。
付け加えて、玉青が予告編で言っていた、
「友情と愛情の違い」
もまた重要な要素になっている思います。

深雪、玉青、夜々の三人とも、
辛い想いを抱える相手は同級生。
これは偶然ではないでしょう。
小説・コミックでは静馬の後輩だった、
深雪の設定を敢えて変更してある事からも、
尚更そう思えます。
本来対等である同級生同士では、
先輩後輩の間柄にならありうる、
かわいがり、甘えるという関係に、
ごまかして逃げ込むことができない。
だから、愛情の側へ揺れ動く心から生まれる、
迷いや切なさは、より深いものになる……。

更に言えば、このような
友情と愛情との間でのゆらめきは、
百合ならではのものだと思うのです。
全く不可能とは言いませんが、
男女間ではもちろん、BLなどでも、
これほど繊細には、描けないのではないかと。

最後に、個人的なこの巻の名シーンを挙げると、
まず19話。バスルームで深雪が、
エトワール選の勝利を断言するシーン。
「あなたたちに勝てる相手なんて、どこにもいない!」

ここだけを見れば、「かっこいい」の一言ですが、
深雪がそんな風に強くなったのはどうしてなのか、
これまでの描写から、その理由をよく解っている者には、
同時に切なくてたまらないところです。
単なる裏話的なサイドストーリーにしか思えなかった、
9話のエピソードが、ここにきて効いています。

あとは、20話のラストシーン。
「わたしは、あなたの事が……好きなんです」

想いを直接的に語らせることの少ないストパニだけに、
何事も胸に秘めるところの多い玉青のセリフだけに、
貴重で、胸に沁みるシーンでした。
どこにキスしたのかが明らかでないところも、
美しくて◎です。

なんだかやたらと長文になってしまってしまいました。
どうもすみません。

 はじめまして、アニメ・マンガ・ライトノベルのレビューを検索するサイト
アニマライトを運営する高橋と申します。
(アニマライト URL http://www.anima-light.jp/ )

 このたび、貴サイト「百合こころ」を訪問し、ライトノベルのレビューの充実ぶりにとても魅力を感じました。
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 それではどうかよろしくお願い申し上げます。

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URL : http://www.anima-light.jp/
EMAIL : support@anima-light.jp
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コメントありがとうございます。
★Mark様

>ストーリー進行の中核になる人物が、
>十分な求心力を持っていない

まさにそうですね。
私は元来「お姉さまキャラ」好きなのですが
この作品って、全く引っかからないのです。
これはでも、制作側のねらいなのか、自然にそう
なったのか、それが読めません(汗)

>三人とも、辛い想いを抱える相手は同級生。

なるほど。その点は気づきませんでした。

>友情と愛情との間でのゆらめきは、

これも、なるほど!
制作側が最初からこれを狙っていたとしたら、
私は制作側を侮りすぎているかもしれません。

そこまで思考できるなら、静馬をなんとかして
欲しかった・・・という気持ちもしますが・・・

>まず19話。バスルームで深雪が、

このシーンは私も大好きです。
深雪の決意を表しているのですが、その裏に
あるつらさを、こんなにも強い言葉で表現して
いるのです。非常に冴えたセリフですよね。

>なんだかやたらと長文になってしまってしまいました。

いえいえ。この作品ってツッコミどころは多い
のに、語ると止まらないような魅力もあります
よね。

★アニマライト 高橋様

なかなか立派なレビューサイトですね。
なんと言っても「百合風味」というジャンルがある
のが良いです!

ということで、相互リンク、こちらからもお願い
します。リンクさせて頂きました。

それでは、よろしくおねがいします。

はじめましてです。いつも楽しく拝見させてもらっております。

さて、静馬のヘタレっぷりについてはネタバレになるので詳しくは言えませんが、最終話でのとあるシーンでのキャラ(達)の表情を見ていただければ、これでもかという静馬の本編での超ヘタレっぷりにもある程度は得心がいくのではないかなーっと。

少なくとも自分の場合は最終話まではあまりのヘタレっぷりにどうも釈然としませんでしたが、そのワンカットだけで個人的には十分納得いきました。スタッフの意図みたいなものも含めて。

まあもちろん、序盤において何らかの凄さをきっちりした形で見せておいたほうが作品としては正しいのは確かなのですが。そのワンカットを最大限に見せたいがために、話全体が精彩を欠いてしまうという、ある種の本末転倒になってしまった観は否めないですし。

と言いながらもぶっちゃけ、リアルタイム視聴時には「なにこの劣化祥○さま?」って思ってたのは秘密ですw

なんだか要領を得ない内容になってしまい申し訳ありませんが、あと2巻、そろそろジェットコースター展開も加速しすぎて大変なことになってくる頃合ですが(笑)、感想を楽しみにお待ちしております。

コメントありがとうございます。
★ル・リム推進委員会様

>静馬のヘタレっぷり

そ、そんな展開が?!
今の展開からはちょっと考えられませんが、
なんと言っても物語の中心人物だし、このまま
では終わらないとは考えていましたが・・・

>そろそろジェットコースター展開

こ、これは気を引き締めて鑑賞しないと!

助言ありがとうございました。

ごきげんよう。豊富になッたリンク情報!おめでとうございます。むさぼり観る私も、「ネタバレ」を酒gimmeにコメンタります。…「だめじゃないわ」!!だめでは ございません、ざッて若いンですもの!或有名な映画の場面ぽくても、女同士ですもの!価値あります。そして、「そんなことしたら、そうでしょう」な、ああ!なんという湿くくり!!損しませんよ。…リンクの話ですが、「俺も真性 百合王子かなー」という百合好き男子には、「百合声優と●ズ声優で妄想紳士」というサィトをも おすすめです。…余談ですが、「VVV」のスミレちゃんの唇は、まだよ(^^)ッてことに!百合ッて本当に、いィいものですねーー(懐かしい?)。。

コメントありがとうございます

>豊富になッたリンク情報!おめでとうございます。

実は、以前はあったのです。リンク。
デザインを変えたときに表示されなくなっていた
のを気づかずに・・・情けない(汗)

>「VVV」のスミレちゃんの唇

う。よくわかりませんが(汗)「VVV」は「百合」
的に挽回したのでしょうか。だとしたらスゴイ
ですね。

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