「コミック百合姫」VOL.7 (前編)
一迅社・刊です。
レビューのリクエストをいただいたので、早速
この「百合」専門誌のレビューです。
今回も前後半2回でレビュー致します。
まず、表紙はひびき玲音氏。
一人の構図ははじめてかもしれませんね。とても
バレンタインらしい雰囲気が良いです。
ところで、このVol.7発売の直前くらいに、ひびき
玲音氏はご自身のWebページで、「百合姫」の表紙を
降板したということを表明されていました。
(先ほど確認しましたが、やはりそうです)
ということで、これが最後になりそうです。
残念ですね・・・(哀)
あと、綴じ込みイラストもなかなか美麗で良い感じ。
エロ過ぎないのが良いです。
ではでは、各作品の感想です。
●「逆襲の赤ズキンチャン」蔵王大志・作画、影木栄貴・原作
前回、全キャラが入り乱れる展開になっていたのです
が、今回は決着編。まあ、なんだかんだで、元のサヤ
ですね(汗)
最後の甘~い雰囲気は良いですが、オチの「いっぱい
勉強」は昔のエロ漫画みたいでちょっとアレかも(汗)
ところで、この作品のドラマCD版は、なかなか面白い
配役みたいですね。楽しみです。
●「ストロベリーシェイクSWEET」林屋志弦・作
なんと、あの鈍感娘・蘭が、いよいよ恋愛感情に
気づきます!急転直下のドキドキの展開!
思い悩む蘭の描写が非常にくすぐられます!
今までで一番「百合」しているかもしれませんね。
でも、これって、終了フラグなの??
●「アップル・デイ・ドリーム」城之内寧々・作
4コマです。綺麗な線の絵と、センスの良いコス
チュームデザインです。でも、「百合」としては
イマイチかも。4コマって、「百合」キャラを扱う
メディアとしては優れていますが、いざ本当の
「百合」となると、壁を作ってしまう、というの
があるかもしれません。
●「ぬいぐるみのはらわた」タカハシマコ・作
これは傑作!女の子同士だから分かり合えること
と、女の子同士だから決して超えられない壁。
そのギャップの残酷さが、非常に巧みに表現されて
いると思います。「少女学」という学問があるなら
タカハシマコ氏は日本トップクラスです。
●「百合の花粉は落ちにくい」
今回はあの「青い花」!三浦しをん氏が興奮して
いるのが伝わってきます(汗)
でも、それは納得の作品ですよね。そういえば
2巻の感想書かないと・・・でも、こういう作品の
感想ってとても書きにくい・・・
●「飴色紅茶館歓談」藤枝雅・作
今回は、芹穂とさらさの出会い話。でも、ページ数
が少ないからか、十分に語られてない印象です。
藤枝雅氏、どうしちゃったのでしょう・・・
●「マーメイドライン ~あゆみとあいか~」金田一蓮十郎・作
これは、問題作ですね。お話としては面白いのです
が、「百合」としては個人的にはアウトかな・・・
でも、どのラインまでが「百合」なのかを突き詰めて
いく試みは、実はあまりされていないし、それどころ
か「百合」の定義もされていない中で、こういう実験
的な作品が出てくるのは有意義だとは思います。
もし竜之介がXXY染色体の持ち主だったら??
SF的な手法を使って、女の竜之介の世界と男の
竜之介の世界の、竜之介だけが入れ替わったら??
とか、考えるだけでは判断できないですよね。
そういえば「うる星やつら」の藤波竜之介はこの
作品の竜之介と逆ですね。ひょっとしたら、ワザと?
昔の同人誌で、竜之介と三宅しのぶのカップリング
に妄想している人がいたなあ・・・(懐かし)
・・・ところで「Simoun」のゲーム版は6月だそうで。
半年も延期とは・・・(汗)
●「冬色思い」乙ひより・作
こちらは正当派。でも、怖そうな先輩が、実は優し
そうな先輩の先輩を好きだった、というのは新鮮な
設定だと思います。
また、怖そうな先輩が、同性にラブラブ、という
描写を観るとな~んかドキドキします。甘酸っぱく
美味しい作品でした。
●「百合×ユリ見聞録」森島明子・作
へ~、アイスリボンって知りませんでした・・・
どんな人たちが観戦しにくるのでしょうね。
女子プロレスは、女性にも人気ですが、女同士が
戦うシーンに性的興奮を覚える男性もいるし(汗)
●「南波と海鈴」南方純・作
ううむ。なかなか南波と海鈴の距離が縮まりません
ね。やはり、コメディタッチでラブラブは難しい
のかもしれませんね。
わ、わ。長すぎました。すみません。
前半はこの辺で。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
こんにちは。
急展開とは!ますます2巻が楽しみ。
「ストロベリーシェイク」かなり好きです。
(ストパニのアニメ開始の告知を見たとき、勘違いしてうかれてました...今思うとかなりアフォだ...)
この作品って百合とコメディーが上手くハモってますよね。
樹里亜の興奮、昇天、妄想っぷりや、
喜怒哀楽の激しさは結構面白い。
あと二人の距離が縮まらず樹理亜が悶々とする様に、
この作品では樹里亜の押しの弱さがひとつのポイントだと思うのですが、彼女に春は来るのでしょうか。
樹里亜に幸あれ!
投稿: 月光 | 2007.03.28 12:18
コメントありがとうございます
★月光様
>ストパニのアニメ開始
いや、本当に。「ストロベリーシェイク」か
「はやて×ブレード」をアニメ化して欲しい
ですね。
(もちろん「ストシェ」の方が優先で!)
>この作品って百合とコメディーが上手くハモってますよね。
そうですよね。「百合」とコメディがうまく
融合している作品って、本当に多くはないです。
コメディにしようとすれば恋愛感情がおろそかに
なるし、「百合」に重点を置けばシリアス過ぎる
し・・・普通は場面場面で「百合」とコメディを
交代させるのなら良くありますよね。
本当、アニメ化してくれないかなあ。
投稿: 虚人ねこ | 2007.03.28 23:52