「えんまちゃん」

かがみふみを・作、双葉社・刊

市立鬼塚小学校に転校生がやってきた。転校生・
えんまちゃんは、なんと閻魔大王の娘というのだ！
彼女は人間界に落ちた悪玉という玉を捜しに来たの
だった。
えんまちゃんと人間の友達・静ちゃんの友情物語の
はじまりです。

読後の第一印象は・・・王道展開ですが、なかなか
良い友情物語です！

まず「百合」的には、なんと言ってもえんまちゃんと
静ちゃんの友情関係が良いですね。

静ちゃんはいかにも大人しそうな子、えんまちゃんは
一見元気だけど、実はか弱いところもある子。
正反対のキャラ同士の友情は良くあるのですが、内面
は似ている、という点で新鮮なカップリングです。

ほとんどのエピソードで二人っきりで行動すると
いうのも、目の保養です(汗)

そして第５話。えんまちゃんが地獄に帰る時には、
記憶を消されるということを知った静ちゃんの心の
不安感がとても巧く表現されています。
判っちゃいるけど、ホロッとさせられますよね。

・・・実は作者が以前どういう作品を描いていたか
知っていました(汗)

しかし、素朴な絵柄と昔ながらの友情物語がとても
マッチしていて、作者なりの新しい作風を編み出し
たんだな、と感心しました。

また、作者は「百合」嗜好の作家ではない事も知っ
ているし、この作品で恋愛妄想するのもちょっと
難しいですが、それを差し引いても、女の子同士の
ピュアな友情物語として悪くない作品だと思いまし
た。

では、総評。

わたくしは3点。ああ、良い作品だった
わ～。最後はハンカチ無くしては読め
なかったわ～。うるうる。

単純・・・
私は2点。私は泣きはしなかったけど
素朴さが良い作品だとは思う。ただ、子供の友情と
いう点で、感情移入しにくい人もいるかも。
(逆も・・・)

総評：●●●○○★★☆