「スズナリ!」2
石見翔子・作、芳文社・刊
女子高生・楓が主人公。ある朝起きてみると、目の前に
自分そっくりのねこ耳少女・鈴がいて・・・
二人は姉妹として学校にも通うようになるのだった。
2巻では、二人は三年生に。進路などで悩むも、楽しく
日常は過ぎてゆく。そして・・・
嗚呼、感動の最終巻です!!
読後の第一印象は・・・コメディ作でガチ「百合」という
作品は実は非常に少ないのですが、この作品はまさしく
ガチです!!
この作品ってコメディではあるのですが、コメディの
上手い作家の作品に比べたら、正直言って見劣りする
という印象もありました。
ただ、シリアスの使い方は本当に秀逸。
軽くて、甘めの「百合」コメディと思いきや、フッと
まるで立ちくらみのようにシリアスになる。タイミング
が絶妙でとても印象に残りますよね。
4コマ漫画をこんな風に上手に、シリアスに料理した
作家はかつていなかったのでは無かろうか、と本気で
思いました。
「百合」的には・・・さっきも書きましたが、楓と鈴の
甘々目の保養シーンも多いのですが、シリアスモードが
それをグッと引き締めてくれます。このさじ加減も妙趣
ですね。
そしてラストの展開は・・・実は個人的にはこの作品、
姉妹百合ではないけど、それに準じるものになる
(つまり、恋愛ものにはならない)と予想していたの
です。
・・・しかし、私の愚考などまるで取るに足りないもの
のように、鮮やかに裏切ってくれました!
一本取られました。見事と言うほか無いです。
2巻を読んで思ったのですが、石見翔子氏って絶対
ストーリーテラーの才覚があると思います。
最近は「百合」雑誌にも描いているので、今後の活躍
から目が離せませんね。
では、総評。
わたくしは5点!楓ちゃん、鈴ちゃん
お幸せに!ああ、良いもの読ませてもら
ったわ~。「百合」の神様ありがとうございます!!
私は3点。本当は、ゆるいコメディは
あまり好きじゃないのだけど、この作品
はシリアスの使い方が上手で、本当に作品として目
から鱗だった。あと、夏実が実は・・・というのも、
ちょっととってつけたような感じもするけど、良い
サプライズだったと思う。
総評:●●●●●★★★
このシリーズの感想はこちら。
●「スズナリ!」1
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