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2007.12.05

「狐とアトリ-武田日向短編集-」

武田日向・作、角川コミックスドラゴンJr.・刊

「やえかのカルテ」から実に3年ぶりの単行本です。
(私が知っている限り)

お話は大きく分けて3つの短編集になっています。
ジャポニズムファンタジー作品「狐とアトリ」、入院
している二人の少女のふれあいをリリカルに描いた
「ドールズ・ガール」。そして、「やえかのカルテ番
外編」
です。

読後の第一印象は・・・アタリです!「やえかのカル
テ」も綺麗な作画でしたが、さらに一枚むけた完成度
です。そして「百合」的にもGJ!!

3年前の「やえかのカルテ」は、私的には正直言って
ぬるい作品でした。作画は綺麗だし、いい話なのです
がなんだか引き込まれない。「百合」要素はあるもの
の、実を結んでいない。中途半端な印象が残りました。

そして、久しぶりのこの作品集。
実はあまり期待していなかったのですが・・・
・・・おお!いろいろな面で大きな進化がみられます!

「狐とアトリ」

巫女という流行の要素に、本格的民話テイストを良い
感じで融合した作品です。まず、絵が緻密で綺麗!
「やえかのカルテ」も綺麗だったのですが、さらに
綺麗になり、上品さまで加わった感じです。

お話は決して超絶完成度ではないものの、シビアな面
と、ちょっと意外性のある展開が楽しい内容。

そして、なんと言っても「百合」なのですこれが!

最初はせいぜい姉妹「百合」だと思っていたのですが
その点でも良い方向にだまされましたね。

二人(?)の紙一重の"姉妹愛"。これは良いです!

「ドールズ・ガール」

こちらはさらにストレートな「百合」もの!

病院で出会った、正反対の性格の実と叶。
明るい性格の叶に惹かれていく実。そして、突然の
決別。実にオーソドックスな「百合」ものといえば
そうですが、男性向けの絵柄で、この作画レベルの
「百合」作品はそうそうお目に書かれません。

作画の良さが説得力に貢献しているところもあるし、
「百合」好きには是非お勧めしたい作品ですね。

「やえかのカルテ番外編」

これは、オリジナルとあまり変わらない「百合」度
ですね。つまり、薄いです。

でも、やえかと芹奈の関係は妄想できるし、悪くは
ないです。

そうそう、武田日向氏って女性なのですね(汗)
絵柄とお話で男性だと判断していました(汗)

あと、B6版なのが残念です。もっと大きな版で読みた
かったです。

では総評。

フューシア:わたくしは5点!アトリちゃんが可愛い
のよ!ああ、あんな風に甘えられたい~
実ちゃんと叶ちゃんも良いわ~。本当に、予想以上の
「百合」度で大満足!武田日向先生、「百合」系雑誌
に描いてくれないかしら。

アレサ:私は2点。絵はかなりのレベルよね。
エロっぽさもあまり無いし。ただ、お話
の完成度はあまり高くないと思うなあ。でも、以前の
作品よりは良くなってきているので、今後に期待
できるね。

総評:●●●●●★★☆

武田日向作品の感想はこちら。
「やえかのカルテ」3

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