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2008.06.22

「五月の霜」

アントニア・ホワイト・著、北條文緒・訳、みすず書房・刊

復帰後第一弾のレビューはこの作品。

大型本屋さんで目がとまり、面白そうだったので入手
しました。ちなみに原作は1933年イギリスの作品です。
1930年代といえば「制服の処女」の映画版が制作された
りしていますし、ヨーロッパでは少女小説文化が花咲い
ていたのかもしれません。

お話は・・・プロテスタントからカトリックの改宗した
両親の薦めで、厳格な寄宿学校(リッピントン)に入学した
10歳の少女・ナンダが主人公。カトリックの教えを受け
入れようとする気持ちと、自分の望みの間で揺れるナンダ
の気持ちを描く作品です。

読了後の第一印象は・・・少女小説ですが、文学作品的な
テーマの深さもある良作です。本物のカトリックの厳格な
女学院に興味のある人にはおすすめです。
「百合」的には良い所もあるのですが、もう一押し欲しい
感じでした。でも、書かれた時代を考えるとこれ以上は
望めない所でしょう。

・・・正直言って、最後の展開はなかり痛々しいです。
(後述する親友たちともめ事ではないので、その点では
気が楽といえば楽ですが)
昔の作品らしく、イキナリな所もあるし、そういうのが
苦手な方にはおすすめしにくい作品です。

ただ、厳格なカトリック寄宿学校の描写がとても良いの
です。荘厳さと華やかさの中に少女たちの息づかいが
ある・・・そういう雰囲気がとても良く描かれています。

カトリック寄宿学校で、どういう宗教的イベントがある
のかということに興味がある方は是非読んで欲しいです
ね。"本物"を感じることができると思います。

あと、この作品はキリスト教の神髄(?)のようなものを
垣間見ることができます。この辺りに興味がある方にも
おすすめしたいです。(なかかな痛くて深いです)

中盤以降、主人公ナンダには4人の友達ができます。
お姉さんっぽいクレア、美少女のロザリオ、そして中性
的な魅力のレオニーです。昔の作品なのですが、親友
たちは最近のラノベに出てきても違和感ないキャラの
立ち方
で、面白いです。

「百合」的にはナンダがレオニーに対してある種の憧れ
を抱いているところがポイントです。ちょっとケンカ
状態になったりもするのですが、親友らしい仲直りを
したり、「百合」的な妄想が広がります。

ただ、ナンダとレオニーに妄想したら、"あとがき"は
読まない方が良いですね(汗)
(ナンダ(=作者)のその後の人生が書かれていますので)

では、総評。
久しぶりにあの二人の登場です。

フューシア:あ~、久しぶりのシャバだわ~

アレサ:シャバって・・・。ま、時間が無いから
さっさと行こう。私は3点。1930年代の
少女小説という珍しさと宗教への切り口の深さ、寄宿
学校の少女たちの描写、どれもとてもレベルが高かっ
た。ライトノベルに疲れた方には是非読んで欲しい。

フューシア:わたくしは2点。アレサちゃんの言うこと
はもっともだけれど、肝心の「百合」的
にはもう少し光が欲しかったわ。でもレオニーちゃん
の魅力にはクラクラ。演劇のイベントでナンダちゃん
が思わず感極まるシーンが良かったわ~。

総評:●●○○○★★★

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