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2008.10.31

「感情教育」

中山可穂・作、講談社・刊です。

本日は久しぶりに中山可穂作品の感想です。2000年
発表された作品で、当時の「百合」系サイトでは絶賛
している方も多かったですね。

この作品は3章で構成されています。1章は生まれた直後
に親にすてられた、那智(ストレート)が成長して結婚し
子供が生まれるまでが描かれます。2章は家庭不和の中
で育った理緒(ビアン)がいろいろな経験の末、那智と
出会うまでが描かれます。3章では理緒と那智の愛と
壮絶な不倫が描かれます。

読後の第一印象は・・・文芸作品的でもあり、エンタメ
的でもあり、不思議なバランス感です。「百合」的には
非常に良い!と個人的には思いますが、いろいろな点で
一般の「百合」ファンにはお勧めしにくい作品ですね。

さて、1章からかなりキツイ内容です(汗)

那智の成長と恋愛遍歴が描かれるのですが、山有り谷
有り。しかし決して満たされることのない恋愛です。
那智はストレートな女性なので、相手はほとんど男性。
かなり痛い目にも遭うのですが、ドキュメンタリーの
ような淡々とした描写が続きます。

男との性描写も多いので、最近の「百合」ファンなら
この時点で根を上げそうです(汗)

しかし、2章から徐々にドキュメンタリー的な雰囲気
がなくなります。2章はオーソドックスなビアン系の
小説
という感じになっています。

3章(この時点で二人とも三十代半ば)はイタくて、
キツいところも多いですが、とても楽しめる造りに
なっています。ある意味、冒険的とも言えるような、
動きのある展開です。

この1,2,3章の構成はとても巧いなあ、と思いました。
単にビアンものではなく、もっと深い面白みのある
作品になっていたと感じました。

もちろん、様々な障害を乗り越えて二人の愛が燃え
上がるという、ロマンチックなビアンものとしての
楽しみもできます。

難点としては男性キャラの扱いが古典的なビアンもの
っぽい感じがするし、ここまでやるならもっとリアル
な男性像でも良いのではないかと思うのですが、この
大恋愛物語(敢えてこう言います)に対して、それは
枝葉末節ですよね。

甘い「百合」ものに慣れている方に、敢えておすすめ
するのは気が引けますが、「百合」とビアンとは何が
違うのだろう
と考えるような方、もっと激しい何か
を求めるような方は是非読んでいただきたい作品だと
思います。

私もこの作品が中山可穂氏の最高傑作だと思います。
(まだ4冊しか読んでないですが)

では、総評。

フューシア:わたくしは5点!ああ、なんて激しくて
狂おしくて、苦しい作品なの~。
「まさか、本当にあなたなのですか?雨垂れのように
やさしい音であたしの心の扉・・・」

アレサ:長くなりそうなので、私の番にする。
私は3点。この作品は内容も良いけど
構成やテーマが実に巧いよね。文芸作品の深さと
大衆作品の面白さを兼ね備えているというか。

フューシア:アレサちゃん、愛とは相手の血を吸って
生きることなのよ!魂は肉体のなかに
あるのだから!だから、啜り合いましょう!

アレサ:すっかりカブれてるし。それにしても
フューシアが言うと限りなくイヤらしく
聞こえるから不思議。

総評:●●●●●★★★

中山可穂作品の感想はこちら。
「サグラダ・ファミリア[聖家族]」(1998)
「深爪」
「白い薔薇の淵まで」

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コメント

オクターヴのレビューは書かないんですか?

コメントありがとうございます。

>オクターブ

私は重要物件を後回しにするという悪いクセがある
ようです(汗)

でも、レビューのリクエストは大歓迎です。
「オクターブ」も近日中にレビューいたしますね。

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