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2008.10.20

「ワイルドブーケ 花の咲かないこの世界で」

駒尾真子・著、一迅社アイリス文庫・刊

気が早いですが今年の「百合」界最大の話題と言ったら
なんと言っても一迅社アイリス文庫の「百合」ノベル
です!
ついに鑑賞をしましたので、感想を書きます。

お話は・・・恋愛も女同士の友情も禁じられたアガサン
パス王国が舞台。主人公は王宮に仕える若きメードの
ジョーゼット。ある日、隣国の王女・デェリアナが嫁い
できます。高貴な人に仕える喜びを感じるジョーゼット
だったが、デェリアナはたいそう気むずかしい性格で
・・・という内容です。

読後の第一印象は・・・「百合」ファンで良かった!
と心底思える作品です。琴線を歓喜のピックがかき鳴ら
します!

私は「百合」を求めて生きてきました。少なからず喜び
もありましたが、実のところほんの10年前までぬか喜び
の方が圧倒的に多かったですよね。そこでなめた辛酸の
数々。筆舌に尽くしがたいものがありました・・・

ああ、苦節ウン十年!!「百合」ファンはついに約束の
に到達したのです!!

まあ、多くは語るまい。「百合」ファンなら絶対に買う
べきです!

まあ、「百合」ファンと言っても好みもあるので、一応
この作品について書くと・・・
もちろんガチ「百合」です。"身分の差もの"です。

私も"身分の差もの"が大好きなので、どう料理している
か楽しみだったのですが、十分期待に応えてくれている
と思います。

ジョーゼットもデェリアナも男性向けラノベにありがち
なカラッとしたステレオタイプではなく、少なくとも
少女小説的な機微とウエットさを感じました。

ジョーゼットがデェリアナの心に入り込む過程がとても
よく描けていたと思います。
特に、二人でブーケ(作品世界では意味がある)を交換
するシーンは蕩けました~。

まあ、正直言って、後半は少々ツッコミ所もあるいの
ですが、ここまでガチ「百合」でロマンチックなオリジ
ナルノベルが読めたことが喜びです!

また、お話の展開上続編も書けそうなので、ソレイユ
(ジョーゼットの血の繋がらない従姉妹)や、ササ(王宮
の庭師の少女)に再登場して欲しいですね。

では総評。

フューシア:わたくしは5点!!10点でも良いわ~!
ああ、なんともファンタジックでロマン
チックでどきどきなお話なの~!わたくしはこれを
読むために生まれてきたのだわ!!
駒尾真子先生はノーベル百合賞決定だわっ!!

アレサ:って、殺人賞かよっ!!
私は3点。後半、場が乱れてバタバタして
くると描写がイマイチになったり、ツッコミ所も多い
のだけど、ここまで超ストレートな「百合」作品が
商業誌で読めるなんて、本当に凄いことだよね。
でもこの作品が発売されて以降、まだ「百合」ノベルが
出ていないのが気になる・・・

総評:●●●●●★★★

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