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2009.06.16

「オクターブ」vol.2

秋山はる・作、講談社・刊

本日はこの作品。あちこちで賛否両論を聞きますが、
・・・さて、どんなものでしょう。

お話は・・・元アイドルの宮下雪乃は、しがみつくよう
に芸能界で働いていた。劣等感に襲われる毎日。ある日
コインランドリーで出会った、岩井節子に惹かれるよう
になり、ついに肉体関係を持ってしまう・・・
2巻では雪乃と節子は雪乃の故郷へ。しかし、このことが
二人の間に微妙な歪みを生じさせてしまう。

読後の第一印象は・・・中盤は「百合」的に大きく盛り
上がります!と思ったら急降下!!まさにジェットコース
ター「百合」
ですね(汗)

・・・1巻から感じていたのですが、2巻も思いました。

ビアンものではなく「大人の百合」だと。

所々、強くセクシャルな感じのするシーンがあるのです
が、ビアンものに特有のセクシャリティ(自分の性嗜好
を自覚する重さ
、というか)はあまり感じません。
個人的な定義として、セクシャリティを感じさせない作
品を「百合」(=「ガールズラブ」)としているので、
この作品はやはり「百合」なんだと感じました。

今回、注目すべきは第9話「空」第10話「彼女」です。

雪乃の高校時代の友人・鴨田綾子の試合を観戦しに、
節子と共に故郷に行くというエピソードですが、二人の
関係を綾子に知られそうになるという展開はとても良か
ったです。

特に、二人の関係を直接見られたワケではなく、雪乃の
話しぶりから伺われてしまう、というのがとても緊張感
があって良かったです。ドキドキしました。
こういうドキドキ感は「百合」作品ではあまり見られな
いので、かなり新鮮な感じがしました。

しかし、この事件は二人の関係にはプラスに働くことは
あっても、マイナスになることは・・・と思っていたら!

この後の展開は意外でした。

雪乃って一見清純そうで、実はとても不安定なところが
あって、すぐフラフラしてしまうので、そういうところ
に否定論が付くのでしょうね。

確かに雪乃って、ある意味とてもリアルな現代女性像だ
と思うのですが、だからといって物語として感情移入し
にくいキャラ
でもありますよね。

# いや、「百合」に慣れていない女性の方が感情移入で
# きるかもしれません。
# そこがこの作品のキモなのかも・・・

でも、「百合」的にはどちらに転ぶか判らなくなり(と
言っておきます)物語としては面白くなってきたと思い
ます。

まあ、これくらいの作品で音を上げては中山可穂作品は
読めませんよね(汗)

では、二人のコメントです。

フューシア:わたくしは5点。10話が良かったわ~。
今のところ「百合」的には最高潮ね。でも
雪乃ちゃんの尻軽なこと!でも、二人は絶対結ばれるわ。
確信したわ!

アレサ:私は3点。雪乃の性格はアレだけど、お話
は面白くなってきたね。よくある「百合」
だとくっついて終わりだけど、"その後"にこそこの作品
の立脚点があるよね。

総評:●●●●●★★★

このシリーズの感想はこちら。
「オクターブ」vol.1

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