「青年のための読書クラブ」1
桜庭一樹・原作、タカハシマコ・漫画、Softbank Creative・刊
原作は一時期、「百合」界では注目されていたのですが
その際、私は未読でした(汗)
今回、あのタカハシマコ氏がコミカライズを手がけたと
いうことで期待して読みました。
お話は・・・お嬢様学校、聖マリアナ学園には、異端者
が集う、クラブがあった。それが「読書クラブ」。本作
は60年代末、80年代の2つの時代に聖マリアナ学園に巻き
起こる"激動"と「読書クラブ」の関係を描く内容です。
読後の第一印象は・・・「百合」的にはちょっと難しい
ところもありますが、漫画作品としては傑作だと思いま
す。
まず、漫画としてテンポが良いです。
2つの時代背景に、聖マリアナ学園で巻き起こる騒動を
描くお話なのですが、当事者達と、生徒達の繊細でダイ
ナミックな動きがとても活き活き表現されています。
女子高ものでありながら、このスピード感が面白いし、
決して単純なお話ではないのに、ここまでの説得力を
持って、漫画化したのはかなり凄いことだと思います。
タカハシマコ氏は「百合姫」系ではどちらかというと
静的な作品を描くことが多いのですが、この作品は本当
に目から鱗、という感じです。
「百合」的には・・・いくつか要素があります。
第1章「烏丸紅子恋愛事件」では同性愛者っぽい、新聞
の部長が良いですね(汗)紅子と恋人フリをする村雨蕾の
関係も良さげなのですが、当の紅子は・・・(汗)
第2章「奇妙な旅人」では読書クラブの部長・きよ子と
副部長(?)時雨が良い雰囲気を出しています。
まあ、「百合姫」に掲載されているようなガチさを期待
していると、肩透かしだと思われるかもしれないのです
が、内容の完成度の高さを比べたら、納得するしかない
ですね。
2巻も楽しみです。
では、二人のコメントです。
わたくしは3点。ガチではないけれど、女
の子たちの若さの躍動感と心の強さがとて
も眩しいのよ!良いもの読ませていただいたわ!
私は3点。いや、面白かった。原作が良い
のは当然としても、その原作を見事に漫画
化したタカハシマコ先生も大したものだと思った。
こういうのを傑作というのだと思うよ。
総評:●●●○○★★★
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