「鋼鉄の白兎騎士団」VIII
舞阪洸・作、ファミ通文庫・刊
剣と(稀に)魔法の世界を舞台に、女性ばかりで構成され
た白兎騎士団の活躍を描く物語。シリーズ8巻目です。
今回のお話は・・・前巻では、小国のクーデターに介入
し王を救ったガブリエラ達、雛小隊。しかし、今度は敵
に包囲されてしまう。味方は遠方に位置している不利な
条件の中、ガブリエラが考えた秘策とは・・・という
内容です。
読後の第一印象は・・・お話はよく書けているのですが
やはり「百合」要素は少ない(というかほとんど無い)で
すね・・・
今回もノリノリです。
本当に、作者のノリの良さが文章に表れていると思い
ます。もちろん、テンポも良いので通常のラノベに比べ
ると文字数は多いのですが、読みにくくは無いです。
あと、今回のガブリエラの"秘策"はある程度読めたの
ですが、この作品にサービスで登場することが多い、
温泉を戦略として使うというのは面白かったですね。
(温泉そのものを使うわけではないのですが)
ただ、秘策を最後まで半隠しにして、最後に種明かし
という展開は善し悪しではないでしょうか。
あまりに引っ張りすぎると、な~んだと思われかねない
と思うのですが。
個人的には、秘策があり、それを達成するためにキャラ
クター達が尽力するという展開の方が好きですね。
さて、「百合」的には・・・今回も全くと言って良い
ほど引っかかりません(汗)
女性キャラがこんなに居るし、ほとんどみんな仲が良い
のに引っかからないとは・・・
ガブリエラが秘策を思いつく→→ガブリエラがみんなに
弄られる・・・なると、他のキャラ同士の関係描写が
薄くなるので、それはこの作品の構造的な特徴だと言え
なくもないのですが・・・
このところ、白兎騎士団団長代理のレフレンシアが味の
あるキャラになってきているので、腹心(?)レオノーラ
あたりと良い感じにして欲しいなあ・・・
(実際、レフレンシアは3巻まで「百合」キャラと言って
も良い位置だったし)
では、二人のコメントです。
わたくしは今回も1点。こんなに女性キャ
ラがいるのに、世間は「百合」花盛りなの
にどうして~。
私は2点。「花盛り」かなあ・・・。
この作品は女性キャラの格好良さが良いよ
ね。団結力も良い。でも、ここのところの展開は、迷走
の一歩手前では?という予感もするなあ。
総評:●○○○○★★☆
このシリーズの感想はこちら。
●「鋼鉄の白兎騎士団」I
●「鋼鉄の白兎騎士団」II
●「鋼鉄の白兎騎士団」III
●「鋼鉄の白兎騎士団」IV
●「鋼鉄の白兎騎士団」V
●「鋼鉄の白兎騎士団」VI
●「鋼鉄の白兎騎士団」VII
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