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2009.08.23

「いたいけな主人 どろぼうの名人サイドストーリー」

中里十・著、小学館ガガガ文庫・刊

「百合」界を震撼させた、あの「どろぼうの名人」
サイドストーリーが登場!
私はサイトで長期連載されていたのは知っていたのです
が、今回初めて読みました(汗)

お話は・・・千葉が独立国になっているパラレルワール
ドが舞台。千葉国国王の波多野陸子、陸子の護衛官・
設楽光、陸子の愛人(?)・平石緋沙子、国王公邸のメイ
ド長・橋本美園の不思議な愛憎関係と千葉国の時勢を
描いた作品です。

# 一応「どろぼうの名人」のサイドストーリーというこ
# とですが、共通しているのは世界観のみです。

読後の第一印象は・・・「百合」的には非常に濃厚です。
性描写は好き嫌い別れそうですね。またラノベとビアン
ものを融合させたような興味深い部分
もあります。

実は・・・読み始めてからしばらくは、「これは『パタ
リロ
』のパロディ?」と思っていました(汗)
もちろん、中身はかなり違います。

さて、前作「どろぼうの名人」は「中里十氏から百合
ファンへの挑戦状」
だと評したのですが、この作品は
より発展的になっていると思います。

序盤は陸子と光の甘くて狂おしくて倒錯的な関係を描い
た展開です。「百合」的にはこの部分が一番オイシイと
言えます。
光は○○フェチなのですが、行為に及ぶ時のドキドキ
がとても良く伝わってきて、読んでいてクラクラし
ます。Mっ気のある人にはたまらない展開です(汗)

中盤は緋沙子と美園が加わり、探り合い(時に強行)が
始まります。
しかし、ストレートなジェラシーものにしなかったの
は流石に「百合」を熟知している中里氏だなと思いま
した。光と緋沙子は互いに嫉妬したことを打ち明けあう
ことを約束します。このあたり、巧いです。

この頃、キャラクターの誰と誰が肉体関係なのかが
明らかになってきます。かなり濃いです(汗)
なんというか、中山可穂的なビアン小説を想起してし
まいました。多分、これは「狙い」なんでしょうね。

個人的には、ラノベとしては良くある、パラレルワール
ド的な世界観でビアン小説的な展開がされるというの
がとても新鮮でした。アリだと思いました。

終盤はまた「百合」的になり、ラノベ的な展開で完結
するのも面白いですね。従って、ビアンものでよくあ
る後味の悪さがないのもグッドです。

本当に繊細で、不思議で、興味深い作品でした。
「百合」はまだまだ発展する余地があると確信しまし
た。

それにしても、この作品には間接的だけどかなりハード
な性描写もあるのですが、ガガガ文庫ってその点大らか
ですよね。・・・大丈夫でしょうか(汗)

では、二人のコメントです。

フューシア:わたくしは5点。一般的な「百合」として
は不純なところも多いけれど、本命が一人
だから、わたくしとしては満足だわ。それにしても、
濃厚な主従関係!良いわ~。こういう関係に憧れるわ
ね!もちろん、わたくしが「主」!!

アレサ:私は3点。「百合」とラノベ、ビアン。
それぞれを熟知しているからこそ可能な
作品だよね。会話のしっとり感も少女小説に良く通じ
ている中里十先生ならではだと思う。
それにしても、この作品がラノベから出てくる余地が
あることが嬉しいね。

総評:●●●●●★★★

中里十氏の多作品の感想はこちら。
「どろぼうの名人」

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コメント

はじめまして。
いつも拝見させていただいてます。

この作者の作品は自分は2度読まないと理解できないことがあります(汗)

そしてとても細かく人物の心理、とくに光のフェチ行為の部分(笑)が書かれていて読んでてドキドキしますよね(笑)

そのせいなのか、人によってはこれは『百合』ではなく『ビアン小説』だという人もいるみたいですしね。

コメントありがとうございます。
★玲様

>この作者の作品は自分は2度読まないと理解できないことがあります(汗)

確かに不思議な言い回しの表現があります。
ラノベでこれほど癖のある文章の作家も珍しいですよね。
この点でもガガガ文庫の許容範囲って凄いなあ・・・と思って
しまいました(汗)

>ドキドキしますよね(笑)

同感です(汗)

>『ビアン小説』

個人的には「ビアン小説風」ですが、ビアン小説ではない(つまり
「百合」)と思っています。
この辺のボーダーラインの狙いの面白さも中里氏らしいと思います。

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