「あずまんが大王」3年生

あずまきよひこ・作、小学館・刊

小学館から復刻された歴史的名作、第3巻です。

ある高校に集う楽しいキャラクター達の日常を描く、
コメディ4コマ漫画です。

読後の第一印象は・・・3巻は独特のテンションが不思
議な気持ちにさせますよね。「百合」的にはほんの少し
てこ入れがされているような？？

序盤は2年生編までのノリの良いコメディで進むのです
が、3年生編の修学旅行からいつもと違う雰囲気になり
ますよね。
修学旅行独特のハイテンションな状態を表しているとも
言えるのですが、個人的にはこの頃作者が方向転換を
考えた(ギャグコメディではなくシチュエーションコメ
ディへ)のでは？と思っています。
「よつばと！」につながるコメディを模索し始めたので
は？という気もします。

そして、3年生編の最後では綺麗な落としどころを見せ
ていますよね。個人的にあずまきよひこ氏はコメディの
中のシリアスを入れるのは邪道だと思っていると思うの
で(汗)これは最大限譲歩したカタチかもしれません。

さて、「百合」的には・・・
なんと言ってもかおりんの動向が気になります。
3年生になってクラスが変わり(しかも木村のクラス)、
さらにサブサブキャラと化してしまいます(汗)
不憫ですよね・・・
最後に榊と写真を取ろうとするネタは、卒業とは違う意
味で泣けます(汗)

しかし！書き下ろしの「補習8」ではちょっとした"反抗"
も見せてくれています。
"聞いてみよう"と"アレ"ですが、これでもかおりんなり
のささやかな抵抗ですよね。

これだけでも嬉しいです。この新装版を買ってよかった
と思います(汗)

では、

わたくしは2点。かおりん・・・不憫な娘
だわ・・・よよよ。でも、きっと大学時代
に榊ちゃんと結ばれたことを信じているわ！

私は3点。3年生編は独特で、最初に読んだ
時には違和感を感じたけど、今読むと不思
議に面白いんだよね。あと、この作品ってブラックだっ
たり、心の対立をあっさり(シニカルに)描写しているの
が巧いと思うなあ。本当に4コマ漫画として完成させる
には、可愛いだけではない、こういうワンポイントは
絶対必要だと思うよ。

総評：●●○○○★★★

このシリーズの感想はこちら。
●「あずまんが大王」1年生
●「あずまんが大王」2年生