2014年8月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

リンク

« 「天秤は花と遊ぶ」2 | トップページ | 「紅蓮紀」2 »

2010.03.10

「オールド・フレンズ」下

朝倉卓弥・著、宝島社・刊

下巻のオビに「ガールズラブ」とあったので一も二もな
く買った本作です。本日は下巻の感想です。

お話は・・・物語は"はるか"と"まこと"、二人の少女の
出会いから始まります。二人の出会いから15年後。まこ
とからはるかの元に届いた手紙から、はるかはまことと
の記憶を思い返します。
果たして15年の間に二人の間になにがあったのか・・・

2巻では、"まこと"は母の逮捕をきっかけにして"はるか"
の家に住むことになります。しかし、日に日に"はるか"
への思いを募らせ、ついにその想いが弾けてしまいます。
しかし、この出来事によってまことは家出をしてしまい
ます。二人は再会することができるのか、という展開。

読後の第一印象は・・・エンターテイメント作品ですが
文学性を保つ程度の苦さをともなったビアン作品とも
言えます。甘さはしっかり効いていますが、痛い部分
許容出来るかがこの作品の評価の別れどころです。

まず、痛い部分から書いてしまいます(汗)
(あえてネタバレします)

まことが家出をしてからが実に厳しいのです。

はるかは大人になって幼稚園で勤めることになりますが
元々意志薄弱な性格故、父兄と不倫関係になり、しかも
妊娠し、このことで幼稚園を辞めさせられます。

まことはほとんど一文無しで、あてもないのに家出し、
はるかへの贖罪の気持ちもあって一時期、売春していた
りします。

この展開は最近の「百合」ファンには厳しい内容ですよ
ね。ただ、この展開を許容できれば、あとはオイシイと
ころは多いです。

同じ屋根の下住むようになったまことが抱えた狂おしい
ほどのジレンマ
がとてもよく描かれていると思います。
「百合」好きなら確実にググッっと感じることでしょう。
(だからこの後の展開がキツイのですが)

そして数年ぶりに、まるで引き合うように再会した二人
の描写がとても甘くてオイシイのです。
途中の厳しさを思うと泣けてきます。

最後のページを読むまで、あの厳しさでココロが折れな
いか(厳しい展開を許容できるか)が最大のポイントと
言えるでしょう。

個人的には、「感情教育」後の中山可穂作品やサラ・ウ
ォーターズ「夜愁」
等と比べたら確実に甘くて、美味し
い作品だと思います。
性描写もこの二人の作家に比べたらかなりの薄口です。
(それでも痛いシーンはありますが)

あと、この作品、男性作家がビアン物を書いているとも
言えます。この点を許容できるかもポイントかもしれま
せん。

作者が男性だからかどうかは分かりませんが、中山可穂
作品と比べると幾分"理屈に走っている感"はありました
ね。ただ、それを含めても珍しい作品には違いないので
中山可穂作品に免疫がある「百合」ファンにはひとつの
可能性として
読んで欲しい感じもしました。

では、二人のコメントです。

フューシア:わたくしは4点。途中の厳しいシーンでは
ココロが折れそうになったけれど、最後の
シーンは泣けたわ~。二人にはまだまだ困難が立ちはだ
かるようなラストだけれど、二人ならきっと乗り越えら
れると確信させる演出も巧いと思ったわ。
ああ、痛い部分がなければ~。

アレサ:私は3点。痛い部分があるからこそ甘い
部分が生きるんだと思うけどなあ。
・・・とは言ってもすべての「百合」ファンに無条件に
おすすめできる作品ではないことも確かだよね。
甘「百合」ばかりで胃がもたれた、という中堅「百合」
ファンには・・・おすすめしたいけどね。

総評:●●●●○★★★

上巻の感想はこちら。
「オールド・フレンズ」下

« 「天秤は花と遊ぶ」2 | トップページ | 「紅蓮紀」2 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/705/47778800

この記事へのトラックバック一覧です: 「オールド・フレンズ」下:

« 「天秤は花と遊ぶ」2 | トップページ | 「紅蓮紀」2 »