「ささめきこと」3
いけだたかし・作の学園「百合」ラブコメ漫画のアニメ
版。第3巻(5,6話)です。
純夏、朋絵、みやこが汐の家で料理バトルする、5話。
汐の傷心のため、純夏と汐が一夜を過ごす・・・、6話。
読後の第一印象は・・・2巻以降、原作のコメディ路線
とシリアスの絶妙なバランスを再現できていますね。
切なさが気持ち良いです。
「百合」といえばシリアス路線がデフォな所があり、
シリアス路線の名作はたくさんあるのですが、この
作品のように、コメディとシリアスの高低差が激しい
作品は多くはないですよね。
また、コメディとシリアスのバランスは難しいと思いま
す。下手をすると、(メインのハズの)シリアス部分を壊
すことにもなりかねませんから。
この作品を表して、少年漫画的なコメディとガチなリリ
カル路線と組み合わせている・・・と書くのは簡単です
が、バランスの取り方の巧さは感じますね。
(特に、この3巻に収録されている2話では)
さて、リリカル路線の方ですが・・・
5話。一見、アニメで良くあるサービス話ではあります
が、"わかり合える者同士"が集う喜び、というか安心感
の表し方が巧いなあ、と思ってしまいました。
6話はイマドキ道場破りが出てくるようなコメディなの
に、汐の傷心を(少女漫画のように)しっかり描いている
というギャップがとても面白いですね。
また、汐のちょっとした言動で心が揺れ動く純夏も切な
くて良いですね。
よく言われるように純夏って中二男子メンタルなのに切
なさはガチ「百合」なんですよね。
このあたりもギャップの面白さですね。
6話の最後で純夏が"待つこと"を意識するのですが、そ
れがこの後の展開に効いてくるのも、今から思えば巧い
なあ・・・と思ってしまいました。
では、二人のコメントです。
わたくしは5点。楽しい中に潜む切なさ。
そういうのって普通の「百合」作品では
あまりないから、新鮮だったわ。純夏ちゃんが告白すれ
ば終わりそうなのに・・・とヤキモキさせるのが良いの
よね。身悶しそう!
私は2点。コメディとシリアスの見事なま
での高低差は面白かったけど、いかんせん
作画が残念だなあ・・・。あまり動く作品ではないから
もう少し1枚絵の綺麗さを見せて欲しいね。
でも、あまり原作の絵から外れた綺麗さも違和感を抱く
だろうけど・・・
総評:●●●●●★★☆
このシリーズの感想はこちら。
●「ささめきこと」1
●「ささめきこと」2
原作の感想はこちら。
●「ささめきこと」1
●「ささめきこと」2
●「ささめきこと」3
●「ささめきこと」4
●「ささめきこと」5
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コメント
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虚人ねこ様
レビュー、拝読いたしました。
今作品は本当、“コメディ”と“シリアス”の組み合わせが、実に巧みですね。
声を上げて、大いに笑えるシーンがあると思いきや、さりげなく“ぐっ…”と、切なく迫るシーンもあり、もう堪りません。
特に、内に秘めた切なる想いを、いっぱいに湛えた眼差しで、じっと汐を見詰める純夏が、何ともいとおしくて、“はぁぁ…”と溜め息が漏れます。
いやぁ、『ささめきこと』には、全く以て“出会えてよかった…”という、思い頻りであります。
投稿: 真誠美優 | 2010.05.08 21:00
コメントありがとうございます。
★真誠美優さま
>何ともいとおしくて、“はぁぁ…”と溜め息が漏れます。
ですね。この作品ってなぜがガチな「百合」好きから
嫌われている印象もあるのですが、根っこにあるのは
間違いなく「百合」ですよね。
こういう味付けも許容しないと「百合」は発展しない
と思います。個人的に。
投稿: 虚人ねこ | 2010.05.08 22:54