「瑠璃色の夢」

森島明子・作、一迅社百合姫コミックス・刊

主に「コミック百合姫」に掲載された"大人の百合"を
テーマにした短編集です。

読後の第一印象は・・・見事としか言いようがない程の
完成度です！

前作「半熟女子」では比較的若い世代の、ちょっとセク
シャルな「百合」をテーマにしていましたが、今回は、
"大人の百合"そして"意外とプラトニック"がテーマに
なっていると思います。

同作者の「楽園の条件」も"大人の百合"がテーマだった
のですが、それとも少し異なる雰囲気です。
こちらの方が"リアル"ではなく、"百合"的な空想を楽し
む、という趣旨になっているような気がしますね。

"大人"と"エンターテイメントとしての百合"の融合を
完成させているとも思います。

あと、どの作品も数年～十数年程度の"時間の経過"を表
しているのもポイントですね。短編ですが単行本1冊程
度のドラマを読んだような、濃密さを感じさせます。

このあたりも、森島明子氏の非凡なところでしょうね。

「百合」といえばある種の典型があり、その型にはまっ
た作品が評価される傾向にあると思いますがこの作品集
はそれを軽やかに超越していますよね。
本当に、見事としか言いようがないです。

「百合」は森島明子氏が味方をしてくれている限り、
安心できる・・・と感じました。

では、二人のコメントです。

わたくしは5点！森島明子先生はさらに腕
をあげたわ！甘切なさとイヤミのないエロ。
この黄金比!!完璧だわ～

私は3点。「今までにない百合」という意
味では本当にスゴイよね。よくこんな発想
ができるなあ・・・と感心するような作品ばかりだった。
特に「追憶」。ちょっと誤解されそうな内容だけど、あ
えて挑戦している感じが良かった。
(もちろん内容もだけど)

あ～。ずるいわ！わたくしも好きな作品を
挙げたいのに！
・・・え～と。そう「瑠璃色の夢」「20乙女の季節」が
良いわ～。二人の幸せな行く末を感じさせるのがステキ
なのよ～。登場人物の幸せそうな顔を見ているとこちら
まで幸せになるわね～。今夜いい夢みれれそうだわ～。

総評：●●●●●★★★

森島明子氏の作品の感想はこちら。
●「楽園の条件」
●「半熟女子」1
●「半熟女子」2