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2010.12.20

「空色ガールフレンド」

リカチ・作、一迅社百合姫コミックス・刊

王子様になるのが夢だった少女・広海のクラスに美少女
樹里が転校してくる。樹里はクラスの他の生徒との協調
性がなく浮いた存在になってしまうが、広海は自分にだ
けは積極的な樹里に徐々に惹かれていく・・・
というお話。

鑑賞後の第一印象は・・・「百合」としては王道のお話
ではあるのですが、その中でもこの作品は名作と言って
も良いでしょう!

美しく、協調性がなく、主人公にだけ積極的な転校生
もの、と言えば、「百合」的には王道の設定ですよね。

ただ、ほとんどが短編なので、ここまでお話を広げた
作品も多くはないのでは?と思います。
(1冊でお話として綺麗にまとまっているのが良いです)

また、この作品は終始、広海視点というのもポイント
だと思います。

広海は落ち着いた性格なのですが、樹里を可愛いと思い、
心を動かされていく過程が非常に良く描けています。
特に3話「秘めゴト」で樹里とのスキンシップに動揺す
るエピソードは、個人的には傑作だと思います。

さらに、王道と思いつつも、文化祭での演劇のエピソー
ドあたりではドキドキさせるし、なんといってもラスト
が実に巧いのです。

樹里と再会してこのまま普通に終わると思いきや、ちょ
っとしたサプライズがあるのも心憎いですね。

いやあ、久しぶりに心から「百合心」を揺さぶられる
作品に出会ったと思いました。

では二人のコメントです。

フューシア:わたくしは5点。甘さは控えめだけれど、
広海ちゃんの心理が上手く描かれていて
ドキドキさせるのよ~。久しぶりにわたくしの薔薇の
ような少女時代を思い起こさせてくれたわ~。
良い作品に出会えさせてくれて、「百合」の神様と
リカチ先生に感謝だわ!

アレサ:私は3点。絵も巧いし、お話の組み立ても
巧いし。本当にスゴイ。「百合」系って
ほとんど無名の作家が、いきなりこれほどの完成度を
見せてくれることって多いよね。それだけ「百合」好き
な作家が「百合」を表現したい!という気持ちが強いん
だろうね。

総評:●●●●●★★★

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コメント

虚人ねこ様

レビュー、拝読いたしました。

何を隠そう、私にとって今作品は、100を越える『百合姫コミックス』の中でも、“3本の指”に入る程、お気に入りな作品であります。

絵柄・お話・心理描写などなど、どれをとっても実に巧みで、ただただ唸りました。さらに、何と申しましょうか、他の作品とは違う、一種独特な雰囲気を醸し出していて、とても惹き付けられたのです。

実を申しますと発売当初から、レビューをお願いしたいと思っていたのですが、“もし、厳しいご意見だったら、どうしよう…”と、ずっと躊躇っておりました。しかし、全くの杞憂でございました。

来月、リカチさんの新作がお目見えとなりますが、もう期待度“120%”であります。

コメントありがとうございます。
★真誠美優さま

本当に良い作品ですよね。
ここ最近ちょっとテンションが低めだったのですが、
久しぶりに「百合」魂が揺さぶられました。

毎年、こういう作品が数点でも出てくれると嬉しい
ですね。
・・・実際に出ているのがスゴイですが。

新作も楽しみですね。

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