「イレーネの戦争」
川人忠明・著、朝日ノベルズ・刊
本日の感想はこの作品。最近のラノベの低調さに、ノベ
ルズの方が良いのでは?と思って買ってみた作品です。
お話は・・・中世的な世界が舞台。突然やってきた隣国
の兵士たちに家族を殺され、命からがら逃げ延びた少女
イレーネが主人公。逃げた先のフローロ市で被差別民族
スクル人の少女・アデルと出会います。
やがて隣国の部隊がフローロ市に向かっていることを
知ったイレーネとアデルが採った行動とは・・・という
内容。
読後の第一印象は・・・「百合」的には予想通り良い感
じでした。でもノベルとしての構成はイマイチなような
気がして・・・
なんというか、読了した途端、これで良いのかな・・・
という気がしました。
序盤、イレーネの家族が皆殺しされたり、被差別民族が
存在したり、市長が市民を炊きつけて戦争に導こうと
したり・・・と結構重い展開なのです。
だから、"戦争"という重いテーマを扱った作品なのだと
思っていました。
しかし、最後の辺りで・・・あれ?テーマは?という
印象がしてしまいました(汗)
このあたり、明らかに作者はさじ加減を間違っていると
感じました。構成力が弱いのかもしれません。
しかし、「百合」的にはなかなかグッドです。
イレーネとアデルの"友情"が熱くて、甘くてとても良い
感じなのです。
個人的には"友情"から一歩踏み出している印象さえ持っ
てしまいました・・・いや、実際、作者はそういう所を
狙ったのでは?と思った方が納得できる展開でした。
最近のラノベの「百合」度から考えるとこの作品はかな
り良い掘り出し物と言えると思います。
物語としてはちょっと納得できないところもあったので
すが、もう少しエンターテーメント志向で続編が書かれ
たら、面白くなりそうだし、「百合」的にも良いのでは
と感じました。
では、二人のコメントです。
わたくしは3点。なかなかの掘り出し物だ
ったわ。イレーネちゃんとアデルちゃんの
命がけのイチャイチャが良いのよ~。これは是非とも
続編を書いていただきたいわね!
私は2点。"戦争"がテーマだったら、これ
で良いのかなあ・・・いや、良くないと
思うかもしれないけど、イレーネの冒険を描くような
内容ならこれで良い・・・よね。続編に期待。
総評:●●●○○★★☆
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