「女の子のナイショの話 乙女☆妄想続・編」

光文社・作

レビュー依頼があったので早速感想を書きます。

内容は・・・女性漫画家による「ほんとうにあった百合
な話」的テーマのエッセイ漫画集です。

読後の第一印象は・・・「百合」的にはちょっと違うと
いう感じは否めませんが、「百合」漫画を描こうとして
いる男性作家には良い参考文献になるかもしれません。

「百合」漫画を読んでいると、あとがきで作者と「百合」
とのかかわりや体験談(友人含めて)をショートショート
にしているオマケが時々ありますが、そのオマケを1冊
にまとめたような内容です。

なので、「百合」作品だと思って読むと、がっかりする
かもしれません。
また、実話が多い(と思われるので)オチは"彼氏"が出て
きたりするので、その辺りでも一般的な「百合」作品と
してはおすすめできない内容です。

しかし、多くの「百合」志向の女性作家が体験したで
あろうエピソードを網羅しているので、「百合」に対し
てそういう接点がない(と思われる)、「百合」志向の
男性作家には非常に良い参考文献になると思います。

特に、スキンシップの描写と、どこまでが許されるの
か、という境界線の描写が面白いと思います。

あと、何故女性作家の「百合」作品が多いのか、という
点でもこういう資料的作品は面白いと思います。

「カーミラ」や「ハニー&ハニー 女の子どうしのラブ・
カップル」のような本物のビアンの体験談とも比較も
面白いかもしれませんね。

最近は「百合」というものを分析する人は少ないですが
分析したい人にもオススメできる内容だと思いました。

では、二人のコメントです。

わたくしは3点。「百合」ではないけれど
「百合」的な心の動きがたくさん描写され
ているのがグッドね。でも、所詮"若気の至り"的なオチ
はちょっと寂しいわね。グッジョブなオチも多いけれど。

私は3点。内容的にはまとまっていないし
単なるエッセイ漫画集だけど、こういう
テーマを1冊にまとめているという点で意味はあると思う
よ。

総評：●●●○○★★★