「ニーナとうさぎと魔法の戦車」2
兎月竜之介・著、集英社スーパーダッシュ文庫・刊
お話は・・・人間が持つ魔法力によって戦車が動くとい
う世界が舞台。前巻で国際的な戦争犯罪者を倒したニー
ナたち"ラビッツ"はエルデ市に招かれる。エルデ市は戦
争で荒廃したもののゴスロリ美少女市長・テオドーレの
功績によって復興を遂げていた。
テオドーレに両親が難民として生きているかもしれない
ことを聞いたニーナは単独で難民だけが住む村を訪れ、
両親との再会を果たすが、難民村は野盗に支配されてい
た。そして、野盗の背後には意外な黒幕が・・・という
内容です。
読後の第一印象は・・・「百合」を期待すると痛いです
ね。「百合」要素はなくはないですが・・・
この作品は最近のラノベとしては、かなりシビアな設定
だと言えますね。
ニーナは両親に売られた娘だし、その両親は戦争難民だ
ったりします。
ニーナは自分を売った両親を少し恨んでいる、というの
もシビアな設定として良いですね。
ただ、"ゴスロリ美少女市長"がさっそうと登場するよう
なラノベっぽい演出もありますが・・・
そういうところも含めて、この作品は不思議なバランス
で成り立っているように思えます。
(人によってはアンバランスに思えるかもしれません)
「百合」的には・・・テオドーレはニーナに「自分は
ファン」であることをつげ、サインをねだったりします。
最初は良い関係です。
しかし、テオドーレは固い絆で結ばれたフィアンセ(と
言っても良い男性キャラ)がいるのです。しかもその関
係は最後の最後まで崩れません・・・
なので、この二人は残念ながら「百合」的には成り立た
ないのです・・・
「百合」的にはニーナと"ラビッツ"の戦車長・ドロシー
の関係くらいでしょうか。
ドロシーはあまり出番は多くないですが、ニーナにとっ
て支え的な存在である、という意味合いで語られること
が多いのがポイントです。
ただ、前述のようにドロシーの出番が少ないので、ニー
ナと直接的に関わるシーンが少ないのが残念です。
では、二人のコメントです。
わたくしは1点。この作品はテオドーレ
ちゃんに期待するとかなり痛い目を見るわ
ね・・・。それにしても、予想はしていたけれど、あの
展開には驚いたわ・・・
私は2点。私も驚いた。というか、作者は
思い切りが良いなと思ったよ。ツッコミど
ころは多いし、完成度は高くないと思うけど、魅力的な
キャラクターで驚かせてくれるよね。そういえば1巻で
も"ピジョンズ"の一人が死ぬという展開があったなあ。
総評:●○○○○★★☆
このシリーズの感想はこちら。
●「ニーナとうさぎと魔法の戦車」
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