「オレンジイエロー」
乙ひより・作、一迅社百合姫コミックス・刊
乙ひより氏の4冊目の単行本です。
今回は短篇集。表題作は3話ですが、あと作品は1話ずつ
という構成です。
読後の第一印象は・・・「百合」の良さを再確認させて
くれる実に良い作品集です。
1作毎の感想を書きます・・・
●「オレンジイエロー」
おっとりお姉さんの"みゆき"と男の子っぽい風貌の"淳"
の幼なじみ関係のお話。
どちらかというとボーっとしたようなみゆきと淳がある
ことをきっかけに急速に恋愛に目覚めるという流れが
とてもドキドキさせてくれます。
最後はちょっと笑わせて、すっきりさせてくれるのも
グッドです。
本当、乙ひより氏の作品って良い意味で上品ですよね。
絵もお話も。吉屋信子のような古き良き「百合」の美し
さを現代に蘇らせているようにも思えます。
書き下ろしのエピソードもこの二人っぽくて良いです。
●「恋の証明」
女教師、女生徒のお話。短編ですが長い月日でも枯れる
事のない想いの強さを"軽く"描いている所にグッときま
すね。美月の笑顔が深いです。
●「マジカルチョコレート」
可愛くて甘百合です。深くはないですが、読後にホワっ
とした感覚に襲われます(汗)
●「カタコイヒメ」
感性が若々しくて良いですね・・・。実はこの作品の
感想は2回目ですが、以前は「感性が若々しい」という
感想は持たなかったなあ・・・(汗)
(まだ2年しか経っていませんが)
●「ナミダグスリ」
主人公が「百合」で、ストレートな娘に"ちょっかい"を
かける、というコンセプトの作品って珍しいですね。
それにしても、巧く里見さんがちょっかいかけたくなる
タイプとして描かれていますよね。
では、二人のコメントです。
わたくしは5点。とても上品だけれど退屈
じゃないのよ。ドキドキ切なくさせる「百
合」の基本はちゃんと押さえているのよ。それが良いわ
よね。「百合」作品を見失ったら、読み返したい作品だ
わ。
私は3点。絵は綺麗だけどお話はどっちつ
かずという作品は多いけど、乙ひより先生
はどちらもうっとりする程綺麗なんだよね。「百合」作
品に初めて出会った時の感動を思い起こさせてくれる。
総評:●●●●●★★★
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