「さくら文通」

ヒマワリソウヤ・作、一迅社百合姫コミックス・刊

いつもはBL作品を書いているという作者の「百合」短編
週です。

読後の第一印象は・・・ロマン派「百合」作品ですね。
私の好みにも合います！

では、1作毎の感想を書かせていただきます。
(過去に書いた作品もありますが・・・)

●「コスモスの咲く庭」
少女と幽霊少女の出逢いのお話。「百合」というほど
突っ込んではいませんが、片田舎、白い洋館、幽霊少女
みたいなエッセンスが良いですね。ちょっと切ない味付
けもグッドです。

●「ご主人様と一緒」
愛玩少女とお嬢様のお話。"うさぎ"がなんとも可愛いの
です。オチは少々アレ？ですが、甘切なさがポイントで
効いていますね。

●「くちなし」
大正ローマンス漂う作品。花をモチーフにするところな
んか、とてもセンスが良いですね。個人的にはこういう、
気品があって、甘く切ない作品が大好きです(汗)ハッピー
エンドにならないところも涙さしぐみます。こういう作
品を長編で読みたいものです。

●「さくら文通」
この作品も大正ローマンス。こちらはハッピーエンドで
す。澄乃さんのキャラデザがとても良いです。本格的な
エス関係ものが読みたいですね。

●「晴れに舞う雪」
こちらはお姫様と女騎士。この組み合わせもロマンがあ
って好きですね。最近では「蝋燭姫」という傑作が出て
きましたし、掘り起こせばもっとイケるジャンルだと思
います。この作品も"雪"のモチーフがとても良いです。

●「星に願いを」
切ないお話です。3人の関係について多くは語られない
ので、表面的にはガチな「百合」ではないようにも見え
ますが、なんとなく誰が誰を好きだったかが伺えるとこ
ろが良いですね。

●「さくら文通-アナザーストーリー-」
同じテーマで現代のお話というのが良いですね。あの
一文でドキドキしてしまう感覚が良いです。

では、二人のコメントです。

わたくしは5点。大正ロマンスにエス関係
に、姫と女騎士！なんて魅惑の設定！
これぞロマン派「百合」ね！わたくしのストライクゾー
ンにびしっと来たわ！強いて１作挙げるなら「くちなし」
かしらね～。ロマンチックだわ～。

私は3点。どちらか言うとライトに楽しめ
る短篇集だよね。あまり濃くはないけど、
「百合」のエッセンスはしっかり味わえる。「百合」初
心者にお勧めしたい短篇集だと思った。
私の好みの作品を1つ挙げるなら「晴れに舞う雪」かな。
「百合」ロマンだよね。

総評：●●●●●★★★