「ROSE MEETS ROSE」
慎結・作、一迅社百合姫コミックス・刊
普段は少女漫画系の作家による「百合」コミックスです。
いわゆる短編集ですが、普通より少し長めがポイントで
すね。
読後の第一印象は・・・古き良き少女漫画の上品さを
感じることが出来て、なかなかの良作だと思います。
では、1作毎の感想を書かせていただきます。
●「花と手錠と」
幼い女の子が罪を犯してしまい・・・というプロットは
「乙女の祈り」などでも見られますが、この作品の場合
はしっかり「百合」の範疇に収まっているので安心でき
ますね(汗)
後半の激しく狂おしい描写がとても好みです。
ただ、前半の秘密の共有とのバランスが悪いような気も
しますね。
●「声のない歌」
この作品はプロットが秀逸だと思います。結局主人公の
片想いに終わるのですが、「百合」的に成立していると
いうのが上手いです。こういうプロットは意外となかっ
たように思います。
主人公・縁の芸術家肌のテンションの高さと、ダウナー
系のまいの切ないまでのすれ違いがとてもグッドです。
●「バラ色の人魚」
ありえないお話ですが、後半の描写の美しさと「百合」
的なハッピーさがとても良いです。
また、登場人物のテンションの高さがとても少女漫画的
で良いですよね。
●「DoRoTHY」
「オズ」になぞらえているのも少女漫画的で上品で良い
ですね。切なさとハッピーさへの転換は「百合」的には
王道ですが、やはり良いものです。
良い夢見られそうな後味の良さもポイントです。
では、二人のコメントです。
わたくしは5点!良かったわ~。紺野キタ
先生のような綺麗で不思議で上品な世界観
と、古き良き少女漫画の狂おしさの融合!
こういう作品がまだ読めると思うと、安心できるわ。
・・・わたくしの好みの作品は・・・どれも良いから
難しいけれど、「DoRoTHY」かしらね。シアワセ~な
感じがとても良かったわ。
私は3点。良い意味で「百合」短編らしく
ない作品が多かったよね。王道「百合」も
良いけど、こういう「百合」に染まっていない「百合」
作品も良いよね。
私の好きな作品はなんといっても「声のない歌」。
傑作だと思う。
総評:●●●●●★★★
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