「星川銀座四丁目」1
玄鉄絢・作、芳文社・刊
本日は「つぼみ」創刊号から掲載されている作品の単行
本です。
お話は・・・とある事情から同棲(?)を始めた"先生"こ
と湊と乙女の生活を描く、作品です。
読後の第一印象は・・・玄鉄絢氏の新境地と言っても
過言ではない甘「百合」の良作です。「百合」好きなら
未悶えます!
玄鉄絢氏といえば「少女セクト」が有名で、「百合」好
きにもこの作品のファンは多いと思いますが・・・
正直なところ個人的にはあまり好きではありませんでし
た。
たくさんのキャラが登場して絡む(エロ含む)わけで、そ
ういう区分の作品はどうにも感情移入できなかったので
す。
しかし、この作品は今のところ、湊と乙女、そして、湊
を好きらしい(?)観月の3人が主要人物で、物語の大半は
湊と乙女だけで進んでいきます。
あとがきにも、キャラクターが少ないのに予想よりスム
ースだったと書かれています。
しかも、こういう形態の方が一般的な「百合」作品に近
いと思います。
してみると、玄鉄絢氏の新境地というべき作品かもしれ
ませんね。
さて、「百合」的には・・・これもなかなか良いのです。
物語の多くは二人の甘い生活が描かれるわけですが、
初めから単なるスキンシップではなく、愛情も含んでい
ることが示されています。
しかし、教師と元(?)教え子という関係上、13歳という
歳の差から肉体関係に進めない、というデンジャラスさ
(汗)加減が良いですよね。
昔のドラマで教師と生徒というのはよくありましたが、
そういったドラマの暗さはなく、あくまで日常的な描写
と、二人の甘やかで危険な関係が軽やかに描かれます。
このあたりは作者の十八番でしょうね。
ただ、湊は彼氏がいたわけでビアンではないのですよ
ね。なのに、乙女と肉体関係を持ちたいようにみえる
のは、セクシャリティという点から言えば無理がある
・・・ような気もします。今後、このあたりをどう解決
するのか(あるいはしないのか)楽しみです。
では、二人のコメントです。
わたくしは5点!最後のエピソードが良い
わ~。キスのルールを決めようとするなん
て、本当に新婚さんね~!!ちょっと危険な匂いもする
けれど、こういう関係に憧れるわ~。
私は3点。個人的には「少女セクト」より
こちらの方がかなり好きだなあ。甘やかさ
とちょっとしたシリアスなシーンのはさみ方がとても
上手いよね。良作。今後の展開も楽しみ。
総評:●●●●●★★★
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