「エビスさんとホテイさん」
きづきあきら+サトウナンキ・作、芳文社・刊
芳文社の「百合」マンガ誌「つぼみ」の創刊当初から
連載された作品の単行本です。
お話は・・・主人公は地方の営業所勤務の普通のOL・布
袋さん。あるとき本社からエリートOLの恵比寿さんが
転勤してくる。自分とは全く正反対の恵比寿さんに反感
を抱く布袋さんだったが、それと同時に強く恵比寿さん
に惹かれていく自分に気づくのだった・・・という内容
です。
読後の第一印象は・・・長編にしては短いのが残念です
が間違いなく「オトナの百合」の名作です。
なんといっても、布袋さんの普通のOLっぷりと、恵比寿
さんのエリートOLっぷりが非常にリアルに描かれている
点に注目です。
一応社会人の私からみても、頷けるような人物描写です
よね。
こういう作品は既存の「百合」作品にはなかったと思い
ます。
しかし、リアルだけではなく、表情の付け方や感情表現
はしっかり漫画的なのです。
そのあたりのバランスが絶妙だと思います。
布袋さんは徐々に恵比寿さんに惹かれていきます。
やがて、自分を抑えられないほどに・・・というエスカ
レーションが非常に上手いですよね。
読者は布袋さんと一緒にドキドキしたり、自分の気持ち
の違和感を感じたり・・・とシンクロさせてくれるのも
上手いです。
ラストは、もう少し続けば・・・という名残惜しさもあ
ありましたが、ラブラブで終わるよりリアルで、幸せな
未来を予感させて、良かったかもしれません。
なにはともあれ、「オトナの百合」を描いた作品として
は名作に入ると思いました。
では、二人のコメントです。
わたくしは5点!ホテイちゃんのドキドキ
描写が、もう最高なのよ!甘切ない作品は
多いけれど、この作品は甘ドキドキね!
堪能したわ~。いい夢見られそう!
私は3点。この作者っていわゆる「百合」
専門の作家じゃないよね。そこが勝因かも
しれないなあ。この作品を読んで、「百合」はまだまだ
世界を広げられると感じたよ。
総評:●●●●●★★★
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