「レズビアン少女愛 Ⅱ蜜の部屋」

千之ナイフ・作、青林堂・刊

本日はこの作品。超ベテランエロ漫画家・千之ナイフ氏
のレズもの作品集、第2巻です。

今回は7つの短編で構成されています。

読後の第一印象は・・・1巻よりかなり良い感じです。
それでも「百合」的には"寒い"と言わざるを得ませんが、
千之ナイフ氏らしいロマンのある官能漫画だと思います。

1巻は男の絡み率が高くて、お世辞にも良い出来という
内容ではありませんでしたが、この2巻は男キャラは登場
するものの、絡みは一切ありません。(1カットだけあっ
たような)

また、世界観はロマンあふれるヨーロッパ調が多く、
緻密な背景描写や水に濡れるシーンが多いのも特徴的で
すね。

官能的な雰囲気に酔える作品と言えるでしょう。
これぞレズもののロマンポルノ！という感じです。

ただし・・・基本的に古来からあるポルノなので、近代
の「百合」作品に見られるような切なさ甘さ、激しさの
ようなものはほぼ感じません。
キャラクターの内面描写もほぼなく、言うなれば、淡々
と絡んでいる印象が強いです。

千之ナイフ氏の独特の絵柄を受け入れられ、シットリ
したレズもの官能漫画を読みたいならお勧めしたい作品
集ではあります。

それにしても、現代に於いて、安易に「百合」的な甘切
なさを採用せず、自己が信じる官能美に突き進む千之ナ
イフ氏はある意味尊敬すべき存在だと思います。

「森の中の魔女」のラストで、自転車で旅に出るシーン
はなんだかとても良いですね。儚げで・・・

・・・一応アダルトなので、評価は保留させていただ
きます。

千之ナイフ氏の作品の感想はこちら。
●「レズビアン少女愛」