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2012.02.08

「むげんのみなもに」1

高崎ゆうき・作、一迅社百合姫コミックス・刊

お話は・・・奈詩は殺し屋。奈詩は最愛のみなもと生き
続けるために殺し屋をしていた・・・というサスペンス
漫画
です。

読後の第一印象は・・・なかなかの問題作です。
しかし、個人的には傑作だと思います。

「百合」と殺し屋という組み合わせは意外と多いですよ
ね。アニメの「NOIR」とかラノベではアサウラ・著の
「バニラ」深見真・著の「ヤングガン・カルナバル」
など。殺し屋ではないですが、中村珍・作「羣青」も共
通するテーマ性を持っていると思います。

ほとんどの作品は、自分が生き続けるために、人を殺め
反倫理的な行為をしている"重さ"が描かれるのですが
この作品はちょっと変わっています。

何しろ絵が可愛い。その反面、殺しを匂わすシーンは
直接的な表現ではないもののグロかったり痛ましいかっ
たします。

そして、そこで描かれているものは反倫理的な重さでは
なく、主人公・奈詩の個人的な痛みや幸せです。
このあたりは男性作家と女性作家の違いからくるもの、
と言えるかもしれませんね。

したがって、ここで描かれる殺人に嫌悪感を抱く読者も
いるかもしれません。オビに「善良な人は回れ右。」
書かれているのも頷けます。
# 個人的には物語は物語として楽しめるタイプなので
# 全然OKですが(汗)

また、この作品は奈詩とみなもの設定が面白いのです。
ネタバレになるので書きませんが、この設定もよくある
殺し屋ものとは一線を画していますよね。

絵の可愛さと甘さと痛ましさと二人の独特な設定が、
複雑な気持ちにさせつつ、「百合」をものすごく盛り上
げます。
こういう作品って今までなかったような気がします。

そういう意味でも傑作だと思いました。
「物語を物語として楽しめるタイプの人」には是非読ん
で欲しい作品です。

では、二人のコメントです。

フューシア:わたくしは5点。こういう痛さと甘さが絡
み合った作品って良いわね~。二人のラブ
ラブさと、ボロボロになった奈詩ちゃんの対比がなんと
も言えず、グッとさせるわね。

アレサ:私は3点。本当、面白い、というか興味深
い作品
だよね。可愛い絵と複雑な気持ちに
させるストーリーと設定。こういう作品がまだ出て来る
んだから「百合」はまだ行けそうだよね。

総評:●●●●●★★★

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