「百合男子」1
倉田嘘・作、一迅社百合姫コミックス・刊
本日はこの作品。
「百合」界最大の問題作(?)です。
お話は・・・花寺啓介には隠れた趣味があった。それは
「百合」。この作品は啓介が「百合」で苦悩する姿を描
く物語である!(?)
読後の第一印象は・・・「百合」好きなら誰しも感じた
ことがあるであろう、感情を実に巧く表現しています。
しかし、それゆえに反感を抱く人も多そう。
それにしても、倉田嘘氏はチャレンジャーですよね。
「百合姫」で男性主人公の作品を描くとか。
しかし、今考えるとこのテーマの作品を掲載できるのは
「百合姫」しかなかったのかもしれません。
一般のオタク向け漫画誌でやってもサマになりませんよ
ね。そういう漫画誌の読者層は啓介のような感情を持っ
たことはないだろうし、この作品で展開される「百合」
談義はかなりマニアックなので、ついてこれる読者は
ほとんどいなかったのではないでしょうか。
「百合姫」の読者だからついてこれるし、それゆえに
反発も受ける。
まさに問題作。
# 啓介だけではなく、彼の周りの「百合」模様を描いて
# いるという点で"配慮"も感じますけど(汗)
個人的には「百合フェス」の後、男5人で集まるエピソ
ードがとても好きですね(汗)
ネット上の「百合」議論ネタを持ってきているのですが
「オクターヴ」の評価の別れ方がとてもリアルで可笑し
いです。
(私もネット上のどこかで健司のような意見を読んだこと
があります)
また、積極的に一迅社以外の作品を出しているのも個人
的には好感が持てます。
「百合」コンテンツはかなり盛んになってきていますが
動向をまとめるような試みはまだでてきていないですよ
ね。
「BL」は研究本とか多く出ていますし、「百合」も誰か
が出版社の垣根を超えて欲しいと思います。
さてさて、内容的に思う所も多いですが、個人的には
「百合」のボーダーラインの問題とか、70年代の少女漫
画における「百合」とかもっともっとマニアックなネタ
が展開されることを期待したいです。
では、二人のコメントです。
わたくしは3点。メタ「百合」漫画として
は面白いけれど、ガチ「百合」部分はまだ
序盤といえるわね。2巻に期待だわ。
私は3点。面白かった。出るべくして出て
きた問題作とも言えるけど、倉田先生が感
じたプレッシャーは想像するにあまりある。
こういう作品に反感を覚える人の気持ちはわかるけど、
私としてはこういう作品があって良いと思うな。
あとはどこまで深く掘り下げられるか・・・この作品の
存在価値はその深さに比例すると思う。
総評:●●●○○★★★
倉田嘘氏の作品の感想はこちら。
●「リンケージ」
●「それでもやっぱり恋をする。」
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