「恋愛彼岸 猫目堂ココロ譚」
東雲水生・作、一迅社百合姫コミックス・刊
「猫目堂ココロ譚」シリーズの3巻目。
不思議な骨董店・猫目堂にまつわる、いくつかのカップ
ルの切なくて、ちょっと苦くて、ハートウォーミングな
作品集です。今回いよいよ最終巻。猫目堂のロリ主人の
秘密が明らかになります。
読後の第一印象は・・・ラストエピソードは傑作だと思
います。暗い切なさと甘さのビターテイストが実に良い。
今回は1話ずつの感想にします。
●「リナリアの憂鬱」
相思相愛になった久美と望だったが、心がすれ違ってし
まう。その原因とは・・・。
久美は他人のために笑顔でいようとするが、それが却っ
て周りに気を使わせている、というのが現実でもありそ
うな重いテーマですよね。「百合」カップルが主人公な
のですが、"素直に生きる"こと自体がテーマになってい
というのは、珍しい作品だと思います。
でも、そのリアルさと重さが個人的にはグッドでした。
●「紅色らせん」
蕗と愛海は離島の家を離れて、高校に通う幼なじみ。
蕗は街の魅力にとりつかれた愛海と距離感を感じるよう
になるが・・・。
こちらは王道「百合」という感じですね。しかし、東雲
水生氏の作品って絵は可愛いのに、妙にリアルで重いで
すよね。主人公もおとなしめだし。でも、こういう作品
はなんだか感情移入しますね。
●「心路戀情」前編・後編
ついに最終回。一卵性双生児の真綾と咲綾の物語を縦軸
に、猫目堂の主人・金糸雀と姉・金雀枝の物語を横軸に
した内容です。2つの姉妹の、似ているようで、似てい
ないシリアスなストーリーが描かれます。
これはなかなかの傑作です。2つのストーリーの絡め方
と対比の仕方が上手いですね。前から思っていましたが、
東雲水生氏は本当に非凡なところを見せてくれます。
全体的にシリアスですが、最後は明る過ぎない程度に報
われるのも良いです。
猫目堂の主人にこんな過去があったとは、という驚きと、
姉との関係にドキドキさせていただきました。
では、二人のコメントです。
わたくしは5点。う~。わたくし好みの切
ない展開が多くて、大満足だわ~。特に金
糸雀ちゃんと金雀枝ちゃんのストーリーは切なくて、心
にしみたわ。良い「百合」をありがとうございます!
私は3点。東雲水生も独特の作風を持って
いるよね。可愛い絵だけど、どことなく影
があるような、ジメッとした切ない展開。最後は「百合」
作品らしく、ハッピーエンドになることも多いけど、明
る過ぎない味付けも良いと思う。
次回作は久しぶりに長編を期待したいね。
総評:●●●●●★★★
このシリーズの感想はこちら。
●「百合心中 猫目堂ココロ譚」
●「少女薄命 猫目堂ココロ譚」
東雲水生氏の作品の感想はこちら。
●「百合心中 猫目堂ココロ譚」
●「初恋姉妹」1
●「初恋姉妹」2
●「初恋姉妹」3
●「カルボナードクラウン」1
●「絶対少女アストライア」
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