「初恋テクトニクス」
かもたま・作、一迅社・百合姫コミックス・刊
本日はこの作品(短篇集)。「百合姫」系作家にしてはペ
ンタッチが重めですが、意外と甘めの展開が多い印象で
すね。
ではでは、一作ずつ感想を書かせて頂きます。
●「GiRL's Distortion 少女が胸に秘めたものは」
昨日まで友達だと思っていた幼なじみから本気の告白を
されるお話。告白された主人公が悩む、という展開です
が、告白した側の描写がとても好きです。チラチラみて
いたり、段々気持ちを高ぶらせて、爆発させる過程が
とても巧く描写されていると思います。
●「夏影 Don't Disturb」
詩音はやかましい同級生と距離を取りたいがため、女に
しか興味ないと発言してしまう。その言葉を聞きつけて
自分も同じという鞠亜と同盟を組むことに・・・という
お話。「ささめきこと」の女子部を思い出しますね(汗)
この作品は詩音が鞠亜のかっこ良さに徐々に惹かれてい
く段階の描写がとても良いです。鞠亜もちょっとヘタレ
なところを見せたり、キャラの魅力の出し方も上手いで
すよね。ラストも良いですね。"恋人"へのステップアッ
プの表現の仕方がちょっと意味深でグッドです。
●「琥珀色ステレオグラム」
夏漣は父の決めた結婚を拒むため、偶然出会った霞と共
謀して擬似恋人になるが・・・。なんといっても頑固な
父に恋人紹介するシーンが面白いですね。夏漣のキレ方
とかグッドです。そして、二人して飛び降り心中しよう
とする・・・という展開も、シリアスながらどこかコメ
ディめいて、面白かったです。
●「西風に寄せる歌 Choc-A-Bye Baby」
「GiRL's Distortion」もそうでしたが友達と思ってい
た相手からガチ告白、という展開を作者は好きなのでし
ょうね(汗)この作品の場合、一緒のバレンタインチョコ
レートを買いに行って、気持ちが高ぶるという展開が
ポイントです。甘~い展開がいい気分にさせます。
●「ポンコツ日和」
優等生・アキラとだらしない娘・桜花のカップリング。
なにかと世話を焼きたいアキラ、世話を焼かれながらも
アキラの気持ちにうすうす感じている桜花、というのが
良いですね。こちらも甘展開です。
では、二人のコメントです。
わたくしは5点。作画は重いけれど、キャ
ラクターの内面描写はなかなかグッドな
作品が多いわね。特に気持ちを高ぶらせて一気に放出!
という展開がわたくしは好きだわ~。わたくしが好きな
作品は「GiRL's Distortion」かしら。友達だと思って
いた相手に告白されるドキドキ感が伝わって来たわ~。
私は3点。作画もそうだけど、いわゆる少
女漫画風の「百合」漫画ではないよね。
内面描写もしっかりしているけど、陰影が濃いような
印象だし。こういう作風は「百合姫」では珍しい方だと
思うな。私が推す作品は「夏影」かな。中編くらいの長
さを巧くまとめていたと思う。あと、「琥珀色」もそう
だけど、作者はキザなセリフを言う女の子が好きなのか
な。そういう作風が色濃く出ていて面白い作品だった。
総評:●●●●●★★★
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コメント
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電撃文庫のアイドライジングは良い感じなんですけどね。(百合的に)
投稿: | 2013.02.08 00:29
★名無しさま
>アイドライジング!
タレコミありがとうございました!
実は全くノーチェックでした(汗)近日中にゲットします!
ちょっと前まで電撃文庫はスルーしていたのですが
状況は変わってきているのですね。心せねば。
投稿: 虚人ねこ | 2013.02.09 00:13